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あらゆる角度から、眺めてみる

ビジネスの現場で生じる様々な問題と向き合い、その解決に奔走していると、本当に大切なことは意外とシンプルで、なのに難しい、ということに気づかされます。

その1つが、【あらゆる角度から、眺めてみる】 ということ。


たとえば…

「相手から理不尽な攻撃を受けるばかりで、なぜ弊社がここまでやり込められなければならないんですか!」 と腹を立てる方がいます。

しかし、相手の立場から見ると、むしろこちらが攻撃を受けているので、仕方なく打ち返しているだけ。

やり込められているのはこちらですよ、ということもよくあります。

これは、同じ土俵に立つ者として、自分とは反対の立場から同じ物事を眺めてみると、見えてくることがあります。

あるいは、裁判所など客観的な立場から全体を俯瞰して見ると、どちらか一方だけがやり込められているという状況は少なく、むしろどっちもどっち、あるいは似た者同士、ということもよくあります。

これは、自分とは異なる高さから同じ物事を眺めてみると、見えてくることがあります。


人は、自分のことしか見えない

しかし、他人事であれば冷静に見られる方も、いざ自分事となり、当事者として巻き込まれてしまうと、【あらゆる角度から、眺めてみる】ということが一気に難しくなります。

これは、弁護士だから、コーチだから、メンターだから、〇〇だから大丈夫、ということは決してありません。

むしろ、普段は客観的に物事を見る立場にある方であればあるほど、いざ自分が巻き込まれると、ヒートアップして周りが見えなくなる傾向すらあります。

それだけ人は、自分のことしか見えない生き物なのかもしれません。


人は、事実を正確に捉えることもできない

また、自分の目線や見える範囲、物差しでしか物事を見ることができないでいると、

・思い込み・勘違い・過信 などによって、事実を正確に捉えることができていないこともあります。

その結果、客観的に見れば問題は解決していたり、これ以上手の施しようがない状態であるにもかかわらず、自分の中ではずっと終わらず、1人見えない何かと闘っている、ということもよくあります。

そうなると、撤退すべきタイミングを逃し、想定外の損害を生み出しながら、これを自分で止めることができない、ということも少なくありません。


まとめ

【あらゆる角度から、眺めてみる】難しいけれど、リーダーとしては必ず意識しなければならない眼差しです。

自分の力ではこれが実現できないと感じたときは、過信せず、ぜひ「第三者の目」であるメンターやコーチの力を借りましょう。

飯塚 予始子
飯塚 予始子
弁護士。東京大学大学院法学政治学研究科(法曹養成専攻)卒業後、日本司法支援センター(法テラス)のスタッフ弁護士を経て、現在は弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所に所属する。夫婦や親子の問題、相続・事業承継などの家事事件が専門。ハラスメント問題やコーチ・カウンセラー業界の法律問題、外国人問題なども数多く取り扱う。趣味は、寝ること、こたつに入ってみかんを食べながら海外ドラマを見ること。

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