1on1 でも沈黙は金?
ちょっと怖い「沈黙」を使って、相手の脳内を活性化しちゃうお話です。
前回の私のブログでは、AWE(And what else?) を使って気づきを引き出す話でしたが、今回はさらに攻めます(笑)。
2種類の沈黙
普段の生活や仕事の中で、沈黙というとどんな情景を思い浮かべますか?
親に叱れている時の子供も沈黙でしょんぼり。
商談中なら、沈黙は気まずい情景に見えるでしょう。
いずれも意図しない沈黙はちょっとネガティブの香りですね。
1人考え事をしている時や映画を鑑賞している時も沈黙。
お寺で瞑想している時も沈黙。
これらは、自発的に沈黙している時でポジティブな香りですね。
前者は”相手”がいて、”意図しない”沈黙。後者は”相手”がいないが、”意図した”沈黙です。
1on1では相手がいますが、”意図した”沈黙を使います。
沈黙の怖さ
私は元々営業からキャリアが始まりました。
新人の頃は商品を売り込もうと、必死で話をするわけですが、相手が興味を示してくれないと不安になって、さらに畳み掛けるように話をしてました。
最悪の状況は、話すこともなくなり、相手も何も言わない悪魔の沈黙でした。汗。
普段の会話でも、人と話をする時に沈黙があると、なんだか気まずくなりますね。
だから、沈黙があると、そこを埋めに行こうとするのが心理です。
心理的安全性の中の沈黙
先日、テレビのスポーツ番組でアナウンサーがインタビューするシーンを見ました。
アナウンサーは敢えて具体的な質問をせず、相手の言葉を繰り返しただけで沈黙し、マイクを向けます。
「え。大丈夫?」と思ったのですが、マイクを向けられた人は澱みなく話を始めました。
私は気づいたことが2つあります。
1つ目は、取材を受けた人は、怖い沈黙を避けようとしたこと、
2つ目は、インタビューした人と取材を受けた人は旧知の仲だったことです。
つまり2つ目の事というのは、心理的安全性があることで沈黙が機能したのだと思います。
1on1で使う沈黙の効用
今や多くの会社で取り組んでいる1on1ですが、話をしてもらおうと闇雲に質問してないでしょうか。
そして話を聞きながら次の質問を探していませんか?
何を隠そう私自身も沈黙が怖くて次の質問を考えてしまうことは今でも起きてしまいます。
しかし、相手(部下)との間には一定の信頼関係はあるわけですから、相手が頭の中で考えを巡らせたり、何か残っていることを直感すれば、自信を持って”意図的な”沈黙を試みましょう。
部下は沈黙の時間を最初は居心地悪く感じても、頭の中は思考がぐるぐるまわり、深い思考へ入り込み、新たな気づきが言語化されて口から出てくると思います。
まとめ
会話の中で相手が回答に悩んでも、30秒沈黙して待ってください。
最初は冷や汗が出るように長く感じられると思います。しかし、その時間が思考のゴールデンタイムです。
日々忙しい時間に追われることが多いと思いますが、だからこそ1on1では相手(部下)を包み込むように温かい視線を送りながら沈黙タイムを試してみてください。
私は何が起こるかワクワクします。