シニアから学んだ1on1ミーティングの効果
いつもブログを読んで頂き、ありがとうございます。
最近、更に時の経つのが早く感じます。
毎日があっという間に過ぎ、寝る前に1日を振り返ると、多くの出来事に向き合い、人と話し、仕事をしたことに気づきます。
人生って、意外に早く過ぎて行くんだなあと思いつつ、充実した毎日に感謝の思いが湧いてきます。
なぜこんなことを書いているかというと、最近1on1ミーティングをさせて頂いたお二人の方が、還暦を迎えられたシニアの方でした。
お二人とも、一生懸命に仕事をし、家庭を支え、そして、会社への感謝を忘れない。
1on1ミーティングは、上司が部下や年齢の若い人を対象としたものが多いと思います。
しかし今回、年上のベテランの方とのミーティングを経験し、お二人の生き様に出会うことで気づいたことがありましたので、書かせて頂きます。
1on1ミーティングが機能しないケース
最近、1on1ミーティングに関する書物を目にすることが多くなりました。
「シリコンバレー式 最強の育て方」と言う本では、職場で行う1on1ミーティングは、結果を出すための情報交換にすぎないと書かれていて、なるほどなあと思いました。
と言うのも、職場では人の成長に焦点を合わせるより、事業や業績などの実務に重きが置かれることが多いようです。
またよく聞くのは、ミーティングをする側(上司など)が、どのように部下と向き合い、ミーティングをしたらよいか分からないと言うこと。
その結果、話題が人ではなく業務課題に向けられ、しかも上司が一方的に話をする。
単なるお説教です!これでは、何のためのミーティングか分かりませんし、受けたくもなくなりますね。
同じキャンバスを眺め、思いを共有する
1on1ミーティングの主な目的は、立場の違う人間が同じ思いを共有し、創造的で発展的な道筋を描き、納得し合うこと、と考えます。
その大前提には、心理的安全性が確立していること。
先ほどのようなお説教では、心理的安全性は望めません。
日常業務の話にならないようにするには、あらかじめ話す項目を挙げておくのがよさそうです。
「今日はこのことについて話そう」とノートやホワイトボードなどに書き、お互いに共通の認識をして、話を共有する。
そして前述しましたが、上司などの話が長くならないようにするのが大事です。
1on1ミーティングの主役は、部下の人たちであり、開催者はあくまで聴く役であることを忘れずに。
でも、聴くのって、結構ストレスが溜まるんです。
しかし、誰が主役かを意識して、充実したミーティングにしましょう。一期一会の機会ですから。
1on1ミーティングで気づいた自分自身の役割
冒頭に触れたお二人のシニアのクライアントの方は、私より年上のベテランの方で、長年仕事をしてきた風格が漂い、どちらかというと硬い印象を受けました。
事前に実施したアセスメント(自己評価、他者評価)を基にお話を進めましたが、お二人とも自己肯定感が低く、ご自身に自信が持てないとの自己評価でした。
リーダーとして、バリバリと仕事をされてきたのに、です。
詳しく伺うと、リーダーとして活躍された後に役職定年を迎え、後輩に役割を譲った途端に自信を持てなくなり、無力感が襲ってきたと。
一方職場の同僚からの評価は、すごく高いんです。
「明るく接してくれて嬉しい」、「真面目に仕事に取り組む姿勢に学ばせてもらいます」、「職場に安心感を与えてくれる、頼もしい先輩です」など。
先ほどの自己評価とはまるっきり違う評価で、大きなギャップが見つかりました。
このギャップに気づくことが大事なのです!
お二人ともこのギャップを目の当たりにし、改めてご自身が頼りにされていることを知り、そして、以前とは違う役割があることに気づかれました。
視点を変えることで気づいた、新たな役割です。
まとめ
お二人の気づきを通して、心理学者 E.エリクソンの「人間の成長の8段階」を思い出しました。
乳児期から老年期までの人生の営みの中で、8つの段階を経るという考え方で、お二人は8段階目の「中〜老年期」にあり、次の世代に与える立場となり、そのことを受け入れようとされているところでした。
お二人の人生の節目に出会うことができ、私はメンターとしてとてもやり甲斐を感じました。
最後にお二人から頂いた言葉があります。
それは、「今まで気づかなかった自分の気持ちを引き出してもらい、新たな気づきになった」ということ。
今まで気づかなかった自分に出会う。1on1ミーティングには、そんなパワーがあります。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます!