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1on1で得た情報はどのように扱うべきか?

会社で導入しようとしている1on1ミーティング。上司が1on1で得た情報は、どのように扱うべきか。こんな疑問を、抱いた事はないだろうか。

一般的には1on1は、通常の会議とは異なり、そこで話した内容は、守秘義務に守られ、またその情報は評価などには影響させないとされている。

上司は、うまくマネージできるのか。


知り得た情報・事実

上司と部下の関係性が深まるほど、部下のブライベートな側面や、業務でも通常話せない事などが話題として上がる事がよくある。

これは1on1としては、とてもうまくいっている状態であるが、上司はここで得た情報や、知り得た事実について、細心の注意を払う事が求められている。

1on1は安心安全に話せる場であり、基本、何を話しても良い。

しかしながら、上司も部下もお互い会社と雇用関係があり、その契約に基づき仕事をしている以上、特に仕事関連の話題については、基本1on1の外側で扱われる可能性があると考えておくべきではないか。

一つだけ注意しておくと、1on1は基本守秘義務に守られていると謳っている以上、外で話す場合は、部下の了承を得ておく必要がある。

では、それ以外の情報についてはどうだろうか。

部下のパフォーマンスとポテンシャルに影響する話。この2つは対照的に扱う必要があると考えている。


パフォーマンス(人事評価)

1on1で知り得た情報を、人事評価に活用すべきではない。

1on1は評価面談ではないし、部下の仕事の進捗と成績を管理する場ではないことを、しっかりと理解しておく必要がある。

本来人事評価は、基本年初に立てた年間計画に基づいて、正当に評価されるものであり、1on1で得た単発の情報に本来左右されてはならない。

例えば、仕事がうまくいっていないなど、部下の心配ごとを聴いた時に、やる気がないとかコミュニケーションが下手だとか、そこで知り得た状況を、直接評価する尺度に加えるのは公平な評価とは言えない。

現実は、知ってしまった情報や事実を、どのように評価から取り除くかは難しい。

であるからこそ、上司部下ともお互いに割り切って、1on1は評価には影響しないし、影響させないと公言するべきである。


ポテンシャル(将来の可能性)

1on1の中で、将来の夢や、考え方、熱い想いを聴く事がよくある。

特にプラス側の側面の話は、本人のモチベーションの向上のためにも、しっかりと受け止め、場合によっては上司だけではなく、会社として受け止めることも必要かもしれない。

例えば、部下が将来海外で働きたいと思っていることを知った場合、その想いを実現させてあげるサポートを、上司としてすべきではないか。

また1on1を通して、その部下は非常に将来の可能性が高いと感じてきた場合、将来異動のチャンスを与えるとか、トレーニングの機会を考えるとか、心に留めておく必要がある。


総合的に判断

実際は、全てケースバイケース、上司部下の関係性や、会社が置かれている状況によって、情報管理のレベル感は異なると思う。

注意すべきは、あくまでも情報の主たる持ち主は、部下であり、それを上司が活用する場合は、部下の了解を取っておくことだろう。

しっかり確認する事ができれば、部下もどこまで話しても大丈夫かわかるし、上司が勝手に知り得た情報を使わないことも理解してもらえる。


まとめ

情報をどこまで、どう扱うかは、明確なルールや基準が存在していない。

またさまざまな解釈があり、いろんな記事を見ても、微妙に異なっている。

大事なのは、上司と部下が、しっかりと信頼関係で結ばれ、そこで得た情報がお互いに、効果的に扱われることだろう。

繰り返すが、これが絶対に正解と言うものは無いので、自分に相応しい、一番いい答えを見つけて1on1を行って欲しい。


鈴木 淳也
鈴木 淳也
日系電機メーカーでハードディスクの電子回路設計エンジニアとしてスタート。その後米系大手コンピューターメーカーCompaq(現HP)で、国際調達、品質管理部門を経て、世の中の常識にチャレンジ、他社が海外に生産を移す中、日本でのPC製造を立ち上げる。その後守備範囲を製造からサプライチェーンに広げ、計画、調達、製造、受注、物流と製品供給のすべてに関わる。HP、Appleを経て、2010年に外資系医療機器メーカ(Becton Dickinson)に転職し現在に至る。  2019年9月、銀座コーチングスクールにてコーチ認定を、2020年12月キャリアコンサルタントの資格を得る。2020年8月、ホライズンを立ち上げ、兼業コーチとして、実務と現場に寄り添ったコーチとして稼働中。趣味:アマチュア無線、神社巡り

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