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「アンチ1on1」の管理職が、「積極的な推進者」に変わった4つのポイント

1on1について、社員がネガティブな印象を抱いていたり、嫌がっていたりする様子を見て、「どうしたものか…」と頭を抱える1on1推進担当者も多くいらっしゃるでしょう。

弊社にお問い合わせいただく企業の担当者の方々からも、そのような声が聞こえてきます。

今回のブログでは、1on1に対して良い印象を持っていない社員が、「積極的な1on1推進者」に変わるためのヒントを、事例を交えてご紹介したいと思います。


なぜ「アンチ1on1」なのか

そもそも、社員が「アンチ1on1」になってしまうのは、なぜなのでしょうか。

1on1に対して良い印象を持っていない人(部下側)にその理由を聞いてみると、


「上司が言いたいことを一方的に言っているだけ」

「ただの雑談で、話したくもないプライベートのことを聞かれて嫌だった」


などの声が聞かれ、一方、上司側に聞いてみると、


「仕事が忙しいのに、時間を割いてまでやる価値を感じない」

「普段、コミュニケーションは取れているので、わざわざ時間をとる意味が分からない」


などの声が多いようです。

どちらにしても、本来の1on1を実践し、効果を得ている企業と比較すると、発せられる感想は、ほぼ「真逆」となっているように感じられます。

「アンチ1on1」の方々の多くは、「本来の1on1」を受けたこともなければ、みたこともなく、表現が適切ではないかもしれませんが、ある意味、「偽物による被害者」と言えるかもしれません。


事例から見た「1on1積極的推進者を増やすための4つのポイント」

弊社が1on1導入・定着支援プログラムを提供した、大手製造業のA社(B支社の対象管理職40名)では、管理職の1on1に対する期待度は、プログラム取組み前は「2.9」でしたが、取組み後は「4.0」に向上しました(5点満点)。

また、1on1に対して「期待していない」「全く期待していない」と答えた人の割合は、取組み前の「40%」から、取組み後は「3%」に大きく減少しました。

約半年間のA社の取組みに伴走させていただいた中で分かった「1on1積極的推進者を増やすための4つのポイント」を挙げてみたいと思います。


< 1on1積極的推進者を増やすための4つのポイント >


  1. 推進リーダーから説得力のある「なぜ1on1なのか」を発信する
  2. メンティの立場で本物を経験する
  3. ”役立つスキル”を身につける
  4. "スキル”を使いこなすための練習をサポートする


各項目について、以下に記します。


1. 推進リーダーから説得力のある「なぜ1on1なのか」を発信する

A社では、取組み開始時の対象者向けキックオフミーティングで、推進リーダーである支社長が、「どうして我々は1on1に取り組む必要があるのか」について、支社長が描く支社のビジョンのほか、支社が抱える現在の課題や、他支社での取組み・改善状況、家族における親と子の関係などの話を用いて、対象の管理職の方々に熱く語りかけました。

実は、B支社では以前、全社号令のもと、十分な研修が行われないまま1on1の取組みがスタートしましたが、うまくいかず、多くの人が1on1に対するネガティブなイメージを持つようになってしまったとのことでした。

そのような中、キックオフミーティングで新たに赴任された支社長の熱いメッセージを聞いた管理職から、半信半疑ながらも「よし、もう1回やってみよう」との声が上がり、1on1の再取組がスタートしたのでした。

2. メンティの立場で本物を経験する

先ほども述べたように、上司も部下も「本来の1on1」を受けたことがない場合がほとんどでしょう。

食べ物の「ウニ」に例えると、スーパーで売っている安いウニは美味しいと感じたことはないが、寿司屋のカウンターで食べたウニは衝撃を受けるほどの美味だった…。というような話をよく聞きます。「本来の1on1」と、そうではない1on1では、この「ウニ」の話のようなものでしょう。

「本来の1on1」を受けるためには、最初は外部人材を活用すると良いでしょう。管理職のロールモデルとなる1on1とする必要があるので、管理職や経営などの豊富な経験を持ち、コーチングなどの有資格者で、1on1の経験を十分に積んだメンター人材を活用するべきです。

そのようなメンターから「本来の1on1」を受けた管理職からは次のような感想が聞かれます。

”傾聴”されるととても話しやすく、自分の気持ちをわかってもらっていると感じ、とても心地よくなる。(W.Tさん)

今回のセッションのように、よどみなく「応援する」メンターとして振る舞うことが私ができるようになれば、部下の仕事をサポートする大きな力になる。このような接し方があるのか…(O.Hさん)

1on1を通してメンターからの部下を「応援する」という意志が強く伝わることは、1on1を受ける側からはとても頼もしく、仕事に対するやる気を押し上げる効果があると感じました。(H.Oさん)

3. ”役立つスキル”を身につける

1on1において、部下を応援するマインドや気持ちは大切ですが、それだけでは上手くいきません。マインドの他に必要なものは「スキル」です。「マインド」と「スキル」は、1on1を支える大切な両輪です。

スキルは大きく分けて2つあり、1つは「進め方」のスキルであり、もう1つは基本的なコミュニケーションのスキルです。

「進め方」として代表的なフレームワーク(対話モデル)は3つあり、トレーニングの中でその流れを練習します。実際の1on1では、これらのフレームワークをメンティの発言に合わせて、自由自在に進めることが求められます。

基本的なコミュニケーションのスキルには、相手に安心してたくさん話させるためのスキルや、相手から気づきを引き出すスキルのほか、勇気づけたり、フィードバックするスキルなどがあります。

スキルの学習においては、スキルの解説だけではなく、手本を示すことも必要です。弊社のサポートでは、プロメンターによる1on1セッションのデモ動画や、研修者による複数の模範動画も教材に組み込んでおり、研修者からは次のような感想が寄せられています。

e-ラーニングの中のお手本動画は特に参考にさせて頂きました。これがなかったらイメージがつかめなかったと思います。(K.Nさん)

何回も見直して、メンターがどのような話し方をしているか、表情は、間の取り方は、を学ぶ事ができました。実際の部下との1on1でも、デモセッションの動画を意識した相槌等を実施する事で、メンティも安心して話ができる環境を作る事が出来ていると思います。(M.Kさん)

4. ”スキル”を使いこなすための練習をサポートする

「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」

これは、山本五十六の言葉ですが、「教育における4段階法」とも呼ばれ、効果的な学習方法を表しています。

スキルにおいても、見たり聞いたりするだけではなく、やってみさせ、褒めたりフィードバックしたりすることで、効率よく習得することができます。

1on1においても、体験や知識で得たことを何度も練習しフィードバックを受けることで、より良い1on1ができるようになります。

プログラム終了時のアンケートでは、この1on1の練習がためになった、という声が最も多く、欠かせないものであることが分かります。


まとめ

今回のブログでは、1on1に対して良くない印象を持つ人にどのように積極的な推進者になってもらうかについてお伝えしました。

どのスキルにおいてもそうですが、一朝一夕に身につくものではありません。人材育成や組織風土の改革の上で1on1を重視している会社では、半年程の時間をとって、管理職の1on1運営力を高めています。

御社の1on1の定着にお役に立てば幸いです。



◎ 90%以上の管理職が「1on1が改善した」と実感する「1on1実践トレーニング」

「1on1実践トレーニング」とは、「1on1を導入したが、本来の効果を得られていない」という課題を抱える法人向けの、1on1本来効果を生み出すための総合研修プログラムです。

プログラムは、4つのコースと4つのメニューで構成され、知識・体験・練習・評価のサイクルを回しながら、段階的に1on1スキルを向上させることができます。

これまでに、東芝グループやNTTグループなどの大企業のほか、組織づくりが課題の急成長中IT企業などが導入し、「1on1が改善した」「リーダーとして成長できた」との声が多く上がっています。

詳細については、「概要書」を無料配布していますので、下記リンク先をご覧ください。

https://www.bizmentor.jp/1on1_pt_lp


林 英利
林 英利
大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロフェッショナル・コーチ、研修講師として独立。その後、銀座コーチングスクール代表を務め、2019年に(一社) 日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA)を設立し代表理事に就任。2020年秋より「Biz Mentor」事業をスタート。元 国際コーチング連盟(ICF)日本支部 顧問・ICF 認定プロフェッショナルコーチ(PCC)趣味は、楽器演奏(ギター・ドラム)、4歳の孫と遊ぶこと。 ◎著書:一瞬で自分を変えるセルフコーチング(三笠書房)

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