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アリとキリギリス、どっちが偉い?

「アリとキリギリス」という寓話をご存知でしょうか?

夏の間、アリたちは冬の食料を蓄えるために働き続ける一方で、キリギリスたちは音楽を演奏し、歌を歌って楽しく過ごしていました。

冬になり、キリギリスは食料が見つからず、アリに分けてもらおうとしますが、断られて飢え死にしてしまう、というものです。

もっとも、この結末には何パターンかあるようです。

アリが食料を分けてくれたお陰でキリギリスは生き延び、改心して働き者になった、というものや、アリが食料を分けてくれたお礼に、キリギリスが音楽を演奏した、というものもあります。

さて、このアリとキリギリス、あなたはどちらが偉いと思いますか?


働き者は、偉いのか?

このストーリー自体は、働き者のアリを称え、怠け者のキリギリスを戒めるものとして、長く語り継がれてきました。

もちろん、夏の間にアリが働き続けたからこそ、辛く長い冬を越せるだけの食料を蓄えられたわけですから、働き者のアリが「偉い」のは確かです。

しかし、これに異を唱える意見もあります。

アリは、食料を蓄えるためだけに働き続け、その結果、キリギリスのように楽しむ時間もないまま死んでいくのだから、偉いどころか愚か者だ、というのです。

これを人間に置き換えて、老後のために働き続けるアリと、お金を使って今を楽しく生きるキリギリスのどちらがいいか、と議論されることもあります。

これは、高度経済成長期を経て長期にわたって経済停滞期に入り込み、国力が低下している日本社会ならではの議論、という見方もできれば、今を楽しく生きることに価値を見出す今の世代ならではの議論、という見方もできるかもしれませんね。


手を携える視点の欠如

しかし、少し視点をずらせば、この議論自体がおかしいことに皆さんも気づくはずです。

そう、食料を蓄えるために働き続けることも、今を楽しむことも、どちらも大切であって、どちらかしかないと考える方がおかしいのです。

そうであれば、アリもキリギリスも、共に手を携えて、一緒に働き、一緒に楽しみながら、長い冬を乗り越えるのが一番賢い「選択」だったのではないでしょうか。

そうであれば、キリギリスは飢え死にせずに済み、アリも楽しい時間を過ごせながら、共に長生きすることができたわけですから、正にWin-Winの解決策、というわけです。


まとめ

このような寓話で例えてみれば、誰でも気づくことのできる視点ですが、いざ自分事となったり、社会で生活していると、AかBかという視点に囚われてしまい、どちらも両立するCという視点が、導き出せないことは非常に多いものです。

そして、こういうところに、様々な課題や問題の本質が隠れていたり、解決へのヒントがあったりします。

「視点の移動」というのは、コーチングでも大切にされているスキルの1つですが、自分1人ではなかなか実践しにくいもの。

ぜひ、コーチやメンターの力を借りて、身に着けたいスキルですね。

飯塚 予始子
飯塚 予始子
弁護士。東京大学大学院法学政治学研究科(法曹養成専攻)卒業後、日本司法支援センター(法テラス)のスタッフ弁護士を経て、現在は弁護士法人 丸の内ソレイユ法律事務所に所属する。夫婦や親子の問題、相続・事業承継などの家事事件が専門。ハラスメント問題やコーチ・カウンセラー業界の法律問題、外国人問題なども数多く取り扱う。趣味は、寝ること、こたつに入ってみかんを食べながら海外ドラマを見ること。

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