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1on1は上司の片想い?

新しい年度も始まり、最近話題の1on1とやらをやってみよう、と思う御仁もいらっしゃるかと思います。

その思いが前のめりの片想いになってませんか?というお話です。


片想いの春

決まったパターンでの正解や、答え合わせができる算数の解がないビジネスの現場において、従来のようなトップダウンだけで物事は進まなくなっています。

そこで、社員全員の能力を引き出していくことは個人の成長だけでなく、会社や社会の成長につながるのだと考えるのは自然な流れでしょう。

「今年度は1on1取り入れて部下の力を引き出そう!」と息巻いている方も多くいらっしゃると察します。

1on1を導入するのは上司のリーダーシップかもしれませんが、期待する効果を上げようと片想いになっていませんか。

春は恋のシーズンですが、1on1が上司の片想いではちょっと悲しいですよね。


対等の関係が恋の基本

1on1はコーチングの考え方を基本にしています。

コーチングでは、コーチとクライアントの関係性は対等です。

一方、企業での1on1は多くのケースで上司と部下になるので、上司は対等な気持ちで話を聞こうとしても、部下はそう感じない(特に圧のある上司は、笑)。

まして、上司は覚えたての1on1(コーチング)テクニックを使ってやろうと、手ぐすね引いている場合がないでしょうか。

ちょうどあの手この手でお気に入りの彼氏彼女をアプローチするように。


対等の関係とルールが恋の基本

我々コーチ同士で相互にコーチングを行うことがあります。

人によって差こそあれ、基本的なスキルなどはお互い熟知の事柄です。

それでもしっかりと効果を実感できます。

しかし、初めてお会いする方とコーチングを行う場合は、コーチングとは何かを丁寧にご説明することから始めます。

テニスに例えるなら、こちらがラケット持っているのに、相手が野球のバットを構えてもゲームにならないからです。

恋愛でも一方的なルールではうまく行きませんね。

私もコーチになりたての頃、手品の仕掛けを知っている人に手品をするような感覚もあって(大きな勘違い!)、なんだか照れ臭いような感じもありました。

しかし、相手もルールをわかっているからこそ、その空間が協働作業によって作られていく実感を持てるようになります。


クリエイティブな協働作業時間にする

1on1は上司の特権でもなければ、部下の特権でもありません。

その時間をクリエイティブな時間とするために、オープンなルールに基づいて協働作業が行われることは大切なことだと思います。

最近は1on1やコーチングに関する書籍や研修を多く見かけるようになりました。

にわかに身につけた知識を、一方的な思い込みで1on1を実行するのではなく、双方が同じ方向を向いてクリエイティブな時間を創造できるのが理想だと思います。

もしコーチングや1on1について学んだことがあれば、是非部下の方とも惜しむことなく共有し、真の意味で1on1が最高の協働作業の時間になることを願いばかりです。

こうして文字に書きながら、私自身もそんな理想に向かって努力していきたいと思います。


まとめ

最近よく耳にする1on1導入の話。

予算的な問題や、働きかけは上からスタートするので、どうしても上司や会社側の意図だけが先行してしまいます。

しかし、1on1はコーチングがベースになっており、一方的なものでは決してありません。

上司側(コーチ)も、部下側(クライアント)も、一緒に協働作業を行うことで、個人、会社組織の力を高め、引いては社会全体に花咲くような理想を目指しませんか?

森谷 均
森谷 均
ノエビアの台湾法人、米国法人の社長を務める。その後、外資系化粧品会社の日本法人立ち上げなどに加わるなど化粧品業界で幅広く活動。若手リーダーの夢や目標に並走することに喜びを感じている。趣味は、居合道・剣道・映画鑑賞・日曜大工。

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