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Chat GPTはコーチになれるのか

最近話題のChat GPT、米新興OpenAI社が公開した、自然な文章を生成する人工知能(AI)だ。

果たして、Chat GPTは、人間のコーチに代わって、コーチングをすることができるのだろうか。


コーチングをしてくれますか?

コーチングをしてくれますかと尋ねてみたら、快く引き受けてくれた。

「はい、コーチングを提供することはできます。どのような課題に取り組んでいるのですか」と、出足は好調だった。

しかし、いくつか受け答えを続けていくと、山のようなアドバイスがたくさん表示されるようになった。

アドバイスでは無く、感情を引き出して欲しいと頼んでみると、もちろんですと答えたのだが、「どのような感情であっても、素直に受け止めて表現することが大切です。あなたが感じている感情は、自分の内面に向き合うための大切な手がかりになることがあります」

いい回答ではあるが、どうもアドバイスすることに、価値を置いているようだった。


Can you provide coaching?

同じことを英語で聞いてみた。

課題を聞かれ入力してみると、英語の方が、多少コーチングセッションぽく受け答えをしてくれた。

現状を把握するための質問が山のように出てきて、展開は日本語よりは多少マシという感じがしたが、基本はあまり変わらなかった。

最後は日本語と同じくアドバイスになってしまい、英語の方がアドバイスの量は多かったように思える。

日本語におけるChat GPTのロジックがわからないが、英語のデータから翻訳して表示しているのであれば、ダイレクトに聞いてみた方が的確な答えに早く近づけるかもしれない。

いずれにせよ、日本語も英語も、いい感じでスタートはしたが、どちらもアドバイスしたくてしょうがないみたいだ。


コーチのクライアント役を頼んでみた

クライアント役になって、コーチングの練習をしたいと尋ねてみた。

これも快く引き受けてくれたが、どうもデータベースにないことは、得意ではないようだ。

AIに主体性がないからか、全く対応できなかった。

依頼の仕方が悪かったのか、何通りか聞き方を変えて依頼してみたが、最後は「何か困っていることありますか?」になってしまい、クライアント役を演じ、仮の話しをするのは難しかったようだ。


コーチングで効果的な質問はなんですか

こんな問いを最後にしてみたら、実に明快に、層別された模範質問が表示された。

ここまで綺麗に答えてくれると、本当のコーチ?コーチングを勉強しているよね?と思ってしまうほどだ。

ゴールに向けた質問

  • どのような目標を持っていますか?
  • それがなぜ重要なのですか?
  • その目標を達成するためにどのようなステップを踏めばいいのですか?

聴き取り質問

  • どのように感じていますか?
  • それがなぜそうなのですか?
  • どのような状況でその感情が出てくるのですか?

逆説的質問

  • 逆に考えてみると、その問題が解決されたら、どのようなことが起こると思いますか?
  • その問題を解決するために、何をやめる必要があると思いますか?
  • その問題を解決するために、何をすべきではないと思いますか?

探求的質問

  • そのことについて、どのように考えるようになったのですか?
  • そのことをどのように捉えていますか?
  • そのことについて、違う見方をすることはできますか?

これらの質問は、クライアントが自分自身の思考を掘り下げ、新しい気づきを得ることができるように設計されています。

コーチングにおいては、クライアントが自分自身の答えを見つけることが大切であるため、効果的な質問を投げかけることが非常に重要だ。実にうまく答えてくれた。


まとめ

まだまだ十分ではないけれど、思った以上にコーチかもしれない。

膨大なデータから適切な答えを導いているので、助言やアドバイス(間違えも多いが)をよしとするのであれば、すでにいいコーチなのかもしれない。

まだまだ実用にはならなそうだが、助言せず人の感情を引き出すと言うロジックがうまく機能し始めると、いいコーチングができるようになってしまうかも。

10年後、ヒト型コーチングロボットが、セッションをやっているかもしれない。

人間コーチは、更なる自己研鑽が必要だ。

鈴木 淳也
鈴木 淳也
日系電機メーカーでハードディスクの電子回路設計エンジニアとしてスタート。その後米系大手コンピューターメーカーCompaq(現HP)で、国際調達、品質管理部門を経て、世の中の常識にチャレンジ、他社が海外に生産を移す中、日本でのPC製造を立ち上げる。その後守備範囲を製造からサプライチェーンに広げ、計画、調達、製造、受注、物流と製品供給のすべてに関わる。HP、Appleを経て、2010年に外資系医療機器メーカ(Becton Dickinson)に転職し現在に至る。  2019年9月、銀座コーチングスクールにてコーチ認定を、2020年12月キャリアコンサルタントの資格を得る。2020年8月、ホライズンを立ち上げ、兼業コーチとして、実務と現場に寄り添ったコーチとして稼働中。趣味:アマチュア無線、神社巡り

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