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手放す勇気 何かを選んだら何かを捨てる

企業の経営戦略で重要なのは「何かを選んだら何かを捨てる」というトレードオフを戦略に組み込んでいくことです。

トレードオフが効いていないと、戦略が上手く機能しないのです。

例えば飲食店を経営する場合、客単価設定で高級店を選択することは当たり前の事ですが、日常使いのカジュアルなお客様を諦めるということになります。

片方を選択すると他方が選択できなくなるという関係性の中に、他者との差別化が生まれるのです。

そしてそれを強化するために、選択と集中が重要になってきます。

しかし現実には、これを実行することは大変難しいのです。

なぜならば商売を営んでいるものにとって、お客様を選ぶ=お客様の間口を狭めることは極めて勇気のいる事だからです。

売上を上げたいと思うあまり、どうしてもあれもこれもになっていきます。

しかし本来目指すべきことは「あれもこれも」ではなく、「あれかこれか」を選択することなのです。


将来の選択肢を絞る

事業に留まらず、個人の場合も同じことが起こります。

自分の進んでいく先にある色々な選択肢を目の前にして、どちらに進むべきかを悩むことは多くの人が経験する事でしょう。

そして自分が行く道を選択するということは、他の選択肢を捨てることになるのです。

選択をしなければ自分の前にはいくつもの道があり、可能性が拡がって見えます。

しかし何かを選んだのちは、それ以外の輝かしい未来を諦めることになるので、中々決断ができないのです。

選択をするということは、選んだもの以外の自らの将来の可能性を捨てることになるのです。


手にしているものを手放す

何かを選ぶことで、自分の目の前にある他の可能性を捨てることは難しいですが、それ以上に困難なことはこれまで手にしているものを手放すことです。

将来の選択肢を絞ったとしても、次に必要になるのは、これまで手にしていたことを手放すことです。

新しいものを手に入れるためには、これまでもっていた事柄や自分が慣れ親しんできた環境から離れることが必要です。

人は人生においてトランジッションの時を迎えます。

その時に手放す勇気がないと結局、「あれもこれも」になり、トランジッションは上手く行きません。

将来の選択肢を絞ると共に、これまで自分が大切にしてきたものの中から、何かを諦めることが必要です。

これまで手に持っていたものをそのままにして、新しいものはなかなか手にできないのです。


本当に大切なものは何か?

人生のトランジションの時に新しい道に進むには選択肢を絞り、そしてこれまで自分の持っているものの一部を諦めることが大切です。

そのために有効なのは、自分のビジョンを明確に描くことです。

ビジョンを描くことにより「本当に大切なものは何か」を明らかにして、有限なリソースを有効に使うことができるのです。

特に人生の後半戦の入っている場合に、避けるべきことは「あれも、これも」です。

「あれも、これも」でなく、「あれか、これか」が大切です。

手放せば新たなものが入ってきますが、今までの自分にしがみついているとトランジションは進みません。

「本当に大切なものは何か?」を自らに鋭く問いかけることで、充実した日々が送れるのです。


まとめ

自らの可能性を絞ることや、今、手にしているものを手放すことは勇気のいる事です。

自分にとって「本当に大切なこと」に向き合ってビジョンを描くことで、人生のトランジションが進んでいきます。

「本当に大切なことは何か」を問いかけるために、コーチを活用する事も有効です。

湯澤 剛
湯澤 剛
大学卒業後、1987年キリンビール社に入社。国内ビール営業、ニューヨーク留学、海外事業担当を経て、1999年飲食店チェーン経営者であった実父の急逝に伴い事業を承継。年商20億、負債40億の会社をボロボロになりながら16年かけて再生、負債も全額返済。現在は、飲食店経営と並行して中小企業経営者向けの講演を全国で行い、コーチングを活用した経営者向け個別相談も実施している。趣味・特技:空手初段

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