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「1on1実践トレーニング®︎」を修了した上司の1on1を初めて受けた部下が感じたこと

約半年間に渡り「1on1実践トレーニング®︎」に取り組まれたある組織(A社のB支社)では、この4月、上司と部下との間で実施される1on1ミーティング(本番)がスタートしました。

過去に1on1を導入したが上手くいかず、1on1に対してあまり良い印象を持っていない人が生じてしまった中で、果たして、1on1の再スタートは上手くいったのでしょうか…。


「雑談1on1」からの脱却宣言

B支社では2年ほど前に、全社号令のもと1on1を導入したことがありましたが、”単なる雑談”(経験者談) であることがほとんどで、結局1〜2回行っただけで終わってしまい、上司側も部下側も1on1に対するネガティブな印象をもってしまった、とのことでした。

その後、新たな支社長が着任し、1on1の立て直しプロジェクトがスタートしました。新支社長は、「効果の出る1on1にするためには、管理職の1on1スキルの向上が必要」と考え、JRLAの「1on1実践トレーニング®︎」を採用することに。

全管理職が出席したプロジェクトのキックオフミーティングでは、支社長は、「1on1に再チャレンジして、B支社を家族のような組織にしよう!」とメッセージを発信し、管理職からも「やってみよう」と前向きな声が上がりました。


「1on1実践トレーニング®︎」で実施したこと

半年間に渡るトレーニングでは、eラーニングによる1on1に必要な知識のインプット(約10時間)、プロメンターによるメンティとしての1on1体験(6回)、管理職同士の1on1セッション練習(15回)、1on1スキル検定(3回)を実施しました。

最初は当トレーニングの参加に前向きではなかった人や、1on1に懐疑的だった人たちからも、トレーニングの途中からは、「これ(1on1)は、組織に必要だ!」、「全管理職ができるようになるべきだ!」などの声が聞かれるようになり、1on1への期待値は、トレーニング前の「2.9」からトレーニング後の「4.0」にまで高まりました(5点満点)。


トレーニング期間中に生じた上司の不安

トレーニング期間中、「1on1の効果や意義を感じられるようになった」という声のほか、「部下にも、1on1の正しい知識が必要ではないか?」という声も複数聞かれるようになりました。

私は、例えるならば、1on1は2名で行うテーブルゲームのようなものだと思っています。ゲームは、プレイヤー同士がルールや進め方を知ることで楽しむことができます。

1on1においても、上司だけではなく部下もそのルールや進め方を知っておくべきでしょう。

そこで、B支社では、上司と部下の1on1がスタートする前に(実際には再スタート)、部下向けの「1on1受け方研修」を行いました。研修の中で1on1デモセッション動画をみた参加者からは、「今まで思っていた1on1とは全く違っていた」との声が上がる一方で、それでもまだ、「本当にやる意味があるのか?」など懐疑的な声も聞かれました。

そのような声を聞いた上司の中には、「自分の部下は前向きに取り組んでくれるだろうか?」、「トレーニング通り行くだろうか?」などの不安の声も、まだ複数ありました。


いざ本番!

4月中旬、B支社全体の期初のキックオフミーティングで、支社長からあらためての「1on1の再スタート宣言」があり、以降、総勢200名、上司・部下の間で1on1がスタートしました。

トレーニングを受けた上司から「本物の1on1」を受け、部下の人たちはどのような感想を抱いたのでしょうか?


部下の「本物1on1」初セッションの感想

昨日までの約2週間で、111回の1on1セッションが行われ、部下の満足度は4.0(5点満点)ととても高いものでした。

満足要因として最も多くあげられた項目は「傾聴」(62%)でした。「雑談1on1」から脱却し、「部下を主体とした1on1」に進化したと言えるでしょう。

以下に、上司が行う「本物1on1」を初めて経験した部下の方々の感想(メンターへのメッセージ)の一部をご紹介します。


最初は面倒なことが始まったと思っていましたが、楽しくなりそうな気がします

期初の大変お忙しい中、このような機会を頂き誠にありがとうございました。次回の1on1までに私が目標としてお話ししたことを達成できるように行動していきます。引き続きよろしくお願いいたします。

普段は自分から話さない内容も話が出来ました

自分の中で感じていたけど、話してもしょうがないと思っていた事は、思い込みの部分も多く、まずは何でも話をしてみようと思えるキッカケになりました。ありがとうございました。

本日はありがとうございました。

面談中も話しましたが、もっといろいろなお話をする機会を増やして成長していきたく思います。引き続きご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

1on1、個人的には好印象を持ちました

お忙しいところ大変恐縮ですが、ぜひ毎月やらせて頂くことを希望します。よろしくお願いいたします。

本日は、初めての1on1ありがとうございました。

お忙しい中、時間を割いて話を聞いていただき、不安が和らぎました

メンターへ発散する事で自身の中での考えが整理でき、次のアクションへの気付きが生まれました。ありがとうございました。

有難うございました。

お互いを知る上で、1on1は活かせる場ではないかと感じました。

よいチームにするためにアクションしていきますので、引き続きよろしくお願いいたします。

お忙しいところ、お時間ありがとうございました。

今回の件で取り組んだ結果を報告できるように努めます。

次回以降も真剣な対話ができることを、楽しみにしております。


いかがでしょうか? 2年前とは大きく異なることがお分かりいただけるでしょう。さぞかし、上司の方々も、ホッと胸をなでおろされたのではないでしょうか。


まとめ

1on1を導入したものの、1on1本来の効果を得られていない。その解決のためのポイントは、

  • リーダーの組織改革に対する情熱と号令
  • 管理職のスキル向上のためのトレーニング
  • 部下の1on1に対する正しい知識

ではないかと思います。

御社の1on1改善のお役に立てば幸いです。


1on1実践トレーニング」については、こちらよりご覧ください。

林 英利
林 英利
大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロフェッショナル・コーチ、研修講師として独立。その後、銀座コーチングスクール代表を務め、2019年に(一社) 日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA)を設立し代表理事に就任。2020年秋より「Biz Mentor」事業をスタート。元 国際コーチング連盟(ICF)日本支部 顧問・ICF 認定プロフェッショナルコーチ(PCC)趣味は、楽器演奏(ギター・ドラム)、4歳の孫と遊ぶこと。 ◎著書:一瞬で自分を変えるセルフコーチング(三笠書房)

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