ほめる
先月、孫がしばらく我が家に滞在していました。
1歳半。いろいろなことができるようになってきています。
母親やばぁばが孫に接している様子を見ながら、企業での人材育成のことを考えていました。
今回のテーマは、「ほめる」です。
とにかくほめる
母親もばぁばもよく孫を褒めます。
ボールを手に持って転がしたら、「上手ねー」、こちらから転がしたボールを受け取ったら、「上手ねー」。
うまくできなくても、「惜しいねー」「頑張ったねー」とほめます。孫は、と言えばにこにこして、何度も繰り返してやって見せます。
子育ての本によれば、ほめることは子供の自尊心や自己肯定感を高めるのに役立つのだそうです。
子供は自己評価ができないので、大人にほめられることで、自信を持ち自分に愛着を持てるようになります。
うまくできていなくても母親や周囲の人がポジティブな言葉でサポートすることで、失敗しても大丈夫だと安心し、再び挑戦してみようという気持ちになるそうです。
考えてみれば、子供は毎日がはじめての挑戦のようなもの。
ちょっとうまくできなかったからといって、諦めていたら何もできるようにはなりません。
やがて、大きくなるにつれてほめられることは少なくなります。
「よくやったね」と「どうしてこんなこともできないの?」が同じくらいになり、大人になって働くようになると、「できて当たり前」「やって当然」という見られ方をされるからか、ほめられる機会はさらに減少します。
大人だってほめてほしい
でも、孫の様子を見ながら、大人だって初めてのことをやらなければならないこともたくさんあるし、何かできるようになったら認められたいのだから、やっぱりほめる・ほめられるということは大事なことに違いないと思いました。
自分のことをふりかえっても、上司からのほめ言葉は、大きな励みとなり、自信を持つことができました。
自分の仕事や行動が認められたことで、より良い成果を出そうとする意欲が生まれました。
「もっとほめてくれれば、もっとがんばるのに」と思っていました。
この仕組みは、個人差はあるにせよ大人も子供と同じではないでしょうか。
では、上司は部下をどのようにほめればいいでしょうか。大人に対してのほめ方には注意点もあります。
- 過剰なほめ言葉はよくありません。自分の能力をかなり低く見られていたのではないかと受け取られれば、かえって部下は自信を失います。部下の能力と成果に見合った表現が重要です。
- ほめる内容には具体性が必要です。「いつも頑張っているね」「よくやっていると思うよ」などの漠然とした表現では何をほめられているのかがわかりません。上司は自分の仕事を見ていないのではないかという不信感にもつながります。
- ほめるタイミングも重要です。部下が成果を上げたときには、できるだけ早くほめることで、その行動を強化することができます。その際、何がうまくいく要因だったかを部下とともにふりかえることで、部下の成長につながる気づきを得ることもできます。
まとめ
大人も子供同様にほめることは大切です。
部下をほめるのは恥ずかしいなどと言わずに、率直なフィードバックとして部下をほめてあげることをお勧めします。