リーダーが取り組みたい人事評価対策
中間管理職でチームリーダーであるTさんは、一年前新しい部門に異動し、新たな部下と上司の元で組織への貢献を果たしてきましたが、自身の人事評価に初めて納得がいかず、仕事へのモチベーションを失っていると相談を受けました。
もともと企業文化・組織へのコミットメントは高く、新しい上司とのトラブルもなかったと言います。
だからこそ、この評価に納得がいかない、つまりは初めて上司に対する不審を感じているそう・・・人事評価が納得できなかった時、いったい何が起きているのでしょうか?
そして、もしあなたのチームでそれが起きていたら、リーダーであるあなたにどんな影響を与えているでしょうか?
納得できない人事評価がもたらす影響
まさに今のTさんは、仕事に対するモチベーションは下がっています。
実績を出しても正当に評価されないなら、必要最低限で過ごしていこうと思うかもしれません。
また、チームリーダーであるTさんのモチベーション低下は、部下や同僚へも電波し生産性は下がってしまうでしょう。
Tさんの事例をもとに、リーダーが取り組む人事評価対策を考えてみましょう。
納得できない人事評価の要素
1. 期中のフィードバックが不充分
Tさんは、期末評価の際に挙げられたフィードバックが、期中に一度も挙げられたことがなかったと言います。
フィードバックが従業員の成長のためにあるのであれば、期中の1on1の際に上司の視点として伝え、部下の気づきを促し、目標の達成とモチベーションの向上に繋げられます。
2. プロセス評価がない
評価基準が成果のみになってしまうと、納得できない人事評価になります。
能力やスキルが評価される成果主義があたり前になりつつありますが、プロセスをアクノレッジしてこそ、信頼が醸成されるメリットがあります。
プロセスは見えにくいですが、1on1を通して共有し、この部分も評価材料にすることで、客観的で公正な人事評価が浸透していきます。
3. 評価の基準がわからない
評価の基準が開示されている、充分な説明がされていることが前提で、この開示がないと納得できない人事評価の理由として挙げられることが多いようです。
どのような理由で評価されたかわからず、上司への不審に繋がってしまいます。
求められている基準に対してどこが足りていないのか、どこに期待しているのか、部下の貢献に対して真摯に向き合っている姿勢を、上司が見せているかも重要なポイントになります。
4. 自己評価との不一致
自己評価より低く評価され、その理由が思い至らない場合です。
この食い違いは、自己評価に対する認識合わせも双方で必要になってきます。
リーダーの側も自己評価の目的を理解して取り組みます。
自己評価は自分自身の成長のために行い、自身の行動変容や優れている点、改善すべき点やできていないことに気づくためでもある、つまり自身の価値を見出すことでもあります。
自身に対して適切な評価ができていると、課題や目標、自身の能力について正しく意識している人財として認められるということを、双方で確認できているでしょうか?
まとめ
正しい人事評価がされると、昇進や昇給にも直接影響を与え、その人のパフォーマンス、向上心やモチベーションアップに繋がります。
そして客観的に部下の成長を考えて行動できる上司にしかできない役割でもあります。
リーダーとしてのあなたの資質が問われる大事な局面と言えるかもしれませんね。
コーチ・メンターは人事評価や1on1においても守秘義務のもと、リーダーのサポートさせていただきます。