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最高の上司は教えない

上司と部下の関係や会社でのシチュエーションにおいて、教えない効果について考えてみた。

学校の先生やコンサルタントのように、一方にある知識を、もう片方に伝える場合は機能するものの、ビジネスの現場で自らが考えて行動を起こすような場合はどうだろうか。

上司の立場で考えてみた。


自分の経験、感覚、常識が全く違う

営業は足で稼ぐもの、とにかく1日100軒まわるまで帰ってくるな!なんて言われたらどうだろうか。

確かに昔の営業とはこうだったかもしれない。

自分の若い頃はこのやり方で成果を出し、それが今の成功の基礎となっている人もいるだろう。

確かにそのようなケースは、たくさんあるかもしれない。

しかし現代では、それはあてはまるのか。

自分が時代とミスマッチしていることに気が付かず、世の中のニーズや最先端のツール・手法に目を向けていないのかもしれない。

大事なのは、昔のやり方を認めつつ、それが今の感覚や常識とずれている可能性があると常に自問しておく必要がある。


一方的なコミュニケーションが、モチベーションを奪う

上司が不機嫌にならないように、逆らわず、何でもおとなしく聴いていよう。

自分はコミュニケーションがうまく出来ていると思っている人ほど、こんな言葉を耳にすることが少なくない。

裸の王様状態に上司がなってしまうと、対等にコミュニケーションがされているような錯覚に陥ってしまう。

部下は上司に必要な情報や報告を挙げなくなり、この場を穏便に済ますことに終始努力しまい、部下のやる気を削いてしまうことがある。

自分は、一方的に自分の考えを押し付けたり、教えたりしていないだろうか。

適切なコミュニケーションのもと、しっかりと相手の話しを聴くことは、できているだろうか。

部下のモチベーションを保つには、相手をしっかり認め、尊重する態度で接する必要がある。


悪いアドバイスが、パフォーマンスを低下させる

悪いアドバイスってなんだろう。

自分は良かれと思い行うことが、相手に悪影響を及ぼしていることがある。

果たして自分のアドバイスは、相手にとって適切で効果的か。

本来アドバイスとは、相手の不足していることを補うために、相手が欲しているときに渡すと効果的と思われる。

それは、答えを渡し実行させるのでは無く、ちょっとしたヒントを投げかけ、相手が考え抜くことを促し、納得できる答えを引き出してあげることを手助けする。

上司が相手のことを考えず、自分の価値観や経験に基づきアドバイスをしてしまうと、相手方にとって不適切であったり効果的でなかったりする場合があり、結果それがネガディブに働き、やる気や責任感を削いでしまうことがあるから気をつけなければならない。


まとめ

教えてしまうことについて、極端な事例を三点示してみた。

余計な上司の一言が、部下の集中力を低下させ、現場の混乱を招いてしまう恐れがあることを肝に命じておく必要がある。

また上司は、部下に自ら考え行動させるための、きっかけを作ることに注力し、教えるのでは無く、答えを導くことができるように伴走していく。

最後にもうひとつ、その答えのオーナーシップは部下にあり、責任は上司が取ることも忘れてはならない。

鈴木 淳也
鈴木 淳也
日系電機メーカーでハードディスクの電子回路設計エンジニアとしてスタート。その後米系大手コンピューターメーカーCompaq(現HP)で、国際調達、品質管理部門を経て、世の中の常識にチャレンジ、他社が海外に生産を移す中、日本でのPC製造を立ち上げる。その後守備範囲を製造からサプライチェーンに広げ、計画、調達、製造、受注、物流と製品供給のすべてに関わる。HP、Appleを経て、2010年に外資系医療機器メーカ(Becton Dickinson)に転職し現在に至る。  2019年9月、銀座コーチングスクールにてコーチ認定を、2020年12月キャリアコンサルタントの資格を得る。2020年8月、ホライズンを立ち上げ、兼業コーチとして、実務と現場に寄り添ったコーチとして稼働中。趣味:アマチュア無線、神社巡り

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