関係の質を高めるオフサイトミーティング
組織のパフォーマンスを最大化するために、「関係の質」を高めようとする取組は様々に行われているようです。飲み会やランチ会などもそうですね。
そこで今回ご紹介したいのはオフサイトミーティングです。
私の勤めていた会社では、それを「ジブンガタリ」という、かなり深めの自己紹介から始めていました。 (関係の質とは、ダニエル・キム氏の「組織の成功循環モデル」の一片です。)
心理的安全性を体感する
オフサイトミーティングとは「気楽にまじめな話」をする「場」と言われます。
そこでは、「本当は話した方がいい重要なこと」がテーマになります。
普段から気になっている事柄などを、そもそも何がそうさせているのか、その事実と本音を語り合います。
その場のルールの一端ですが、
- 相手に関心をもって話しをじっくり聴く
- 一緒に考える姿勢で臨む ・正論で相手をやっつけすぎない
- 無理に結論を出さなくてもいい
など、まさに心理的安全性に包まれる場を具現化しています。 (参考書籍:「オフサイトミーティング」より、著者㈱スコラコンサルト対話普及チーム)
これに参加した面々は、心理的安全性の中で行う対話を実感することができます。
それは多くの人が初めて味わう体験でしょう。
「心理的安全性とは、こんな感じなのか!」 ミーティングが終わるころには、殆どの参加者がこのオフサイトミーティングに感銘して満足を示してくれます。
こんな職場風土にしたい、このメンバーと共に仕事をしたい、こんなチーム運営をベースにしたい、そんな思いに至るのです。
チームのメンバーに共感がおこる
オフサイトミーティングを始めるにあたっては、先ずはジブンガタリという、参加者ひとり一人の深い自己紹介から行いましょう。時間が許せば一人30分から1時間をかけて話してもらいます。
すると幼少のころからのライフチャートを話し始める方が多いようです。
そこでは話している本人が自分自身を見つめ直すことで、改めて自己理解が進みます。
そして、「今ここ」というリアルタイムの自身の内面も素直に話してもらいます。
このありのままの自己開示は自己承認となり、それをメンバーの面前で行うことで他者からの承認まで獲得しているのです。それは、このチームに存在し活動していく自信となります。
もちろん、気楽にまじめな話をする場ですから、本人が言いたくないことや知ってほしくないことまでを話す必要はありません。
また、自分を良く見せようとしたり自慢話に終始してしまうと、関係の質が高まるに至らないことは言うまでもありません。
また、人の話を聴いている側にとっても、メンバーそれぞれのことを深く知りえることで、メンバーへの親近感が湧き信頼感が芽生えます。
人には返報性が備わっていますから自らも素直な自己開示が繰り返され、チームの信頼感が増幅していきます。
人は自分に関心を持ってくれる人に関心を持ちますからね。
チームに貢献する協働意欲が湧く
さて、ジブンガタリでメンバー間の相互理解が進み、信頼関係が芽生えてきたところで、次に行うのは「オモイガタリ」です。
このオモイとは目的、目標のことです。なりたい自分の姿やありたいチームの姿などです。
仕事上のチームの場合は、自分たちが働く意義、そこに存在する意味、目指したいゴールなどでしょう。
それはまさに、PMVV(パーパス、ミッション、ビジョン、バリュー)です。
オフサイトミーティングという場では、参加者は自身のマイパーパスに思いを馳せそれを語り、メンバーのそれぞれのパーパスを聴くことで、視座や視点の違いに気づき、お互いの触発からマイパーパスの軸が明快に定まってくるのです。
また、そのマイパーパスとチームのパーパスとのつながる部分にも気づき、チームの目的や目標が自分たちの共通のものとして腹に落ちます。
こうしてチーム内に一体感のある協働の関係が生み出され、ワクワクする期待感からチームやメンバーのために、「協力する貢献する」というコミットメントが引き出されます。
そうして課題の解決が進み出し、目標の達成に前進する行動へとつながっていきます。
それはきっと、今までにないイノベーティブな何かを生み出すことでしょう。
まとめ
関係の質を高めて「共感」を生み出し、思考の質を高めることで「協働」を生み出す。
それが次の行動の質の高まりへとつながり、より早くより高い結果の質を創り出します。
まずは、深い自己紹介を行うことから始めてみませんか?