昨日の朝食は何でした?
「朝食に何を食べましたか?」と聞かれると、とっさに、「トーストとコーヒーだったな」なんて無意識に考えるのではないでしょうか。
人は質問されると回答しようとするようにプログラムされているようです。
日々仕事をする中で、業務に関係することだけでなく、相手との関係性を高めたり、1on1などで互いの成長に繋がるような会話は「質問力」が一定の役割を担っていると感じています。
今回は、そんな質問力について一緒に考えたいと思います。
悪い質問とは
一般の会話で、質問に良いも悪いもないかもしれません。
知りたいから質問し、会話が成り立っているので、非常識な内容でない限り考える必要もないでしょう。
しかし、忙しい日々の仕事の生産性を上げたり、創造的なアウトプットに繋げるため、という定規があると質問に良し悪しがあると思います。
コーチングや1on1の時間において、私が経験的に感じる悪い質問から今回二つだけあげてみます(自責の念を込めて!)。
まず、Googleで調べたら回答がある質問。ちょっと自分が知らないことを相手に聞いてしまうことは普通にありますが、コーチングや1on1の中で相手の時間を使って己の知識欲を満たすのは得策ではありません。
もう一つは、相手が心情的に避ける質問。心情的に避けるかどうかは、質問以前に相手の理解やリスペクトがないと判断できません。
つまり、良い関係性がない状態で口にする質問内容は注意が必要です。
良い質問とは
では、良い質問はどんな質問でしょうか?
ちょっと抽象的ですが、相手も自分も知らない情報を発見する質問が私には頭に浮かびます。
1on1やコーチングの中では、上司やコーチが答えを持っているわけではありません。
しかし、二人の会話が知の冒険のように投げかけられる質問により、二人とも気づかなかった世界が見えることがあり、それは私にとってコーチングの醍醐味とも言えるものです。
以前、このブログで取り上げたパワークエスチョンAWE(And what else?)もその一つです。
もう頭に何もないと思っていても、「他には?」と聞かれるとまるで昨日の朝食を思い出そうとする本能に従い、答えを探しに行きます。
そして、何もないと思っていたのに、心の奥に眠っていたものが吐き出された瞬間、私は質問の力を感じます。
その最後に出てきた答えが、意外と本人も気づいていなかった大切な価値観に基づいたものだったりするのです。
さて、悪い質問の話で出てきた心情的に避ける質問は、その前提である相手との関係性や自己基盤がしっかりとしていれば必ずしも悪い質問にはなりません。
1on1やコーチングの中で、相手の琴線に触れるような質問は注意が必要ですが、両者が対等な関係にありリスペクトに溢れている状態になっていることで、表面的な会話でなく真に大切なものを見つけるきっかけになると思います。
まとめ
今日は「質問」について普段思っていることを書いてみました。
質問についてのスキルはGoogleを調べたら参考になる情報が出てきます。
しかし、私は表面的なスキルの前に、誰であれ相手に対するリスペクトと対等な立場から、新たな価値や創造性を引き出そうとする姿勢から出てくる質問力を深めていきたいと思っています。
ところで、今日は朝食に何を召し上がりましたか? 他には?