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いつも話しているから、1on1は要らない?

1on1ミーティングの重要性を、研修その他で管理職の皆さんにお伝えすることが多くあります。

その際に、「部下とはいつもよく話しているし、わざわざ1on1ミーティングってやる必要があるの?」「そうだよね、お互い忙しいのに改まって話すことに意味があるのかな?」という質問をよく受けます。

今回のブログでは、たとえ普段の会話が多いとしても1on1ミーティングが必要な理由について考えました。


1on1ミーティングとは

ここで改めて、1on1ミーティングとは何かを整理します。

  • 対象者:上司と部下の二人
  • 開催:定期的かつ1ヵ月に2回程度の頻度
  • 話題:仕事や組織のことが多いが、それに限らずプライベートも含む
  • 目的:上司と部下の信頼関係の向上、部下のエンゲージメントの向上、部下の成長を促す、部下の主体的な行動につなげる、など。
  • 対話の主体:主役は部下である、何を話すかは部下が決める、部下が中心に話す
  • 認識:上記が互いの認識として共有されている


1on1ミーティングで何が期待されているか

1on1ミーティングでは、部下が中心になって、自分が話したいことを話し、上司は聴き役となって部下の話にしっかりと耳を傾けます。

部下は、自分の考えていることや感じていることを自由に発言することを促されますから、自分の中にある潜在的なものを言語化し、それを自分で発言し自分の耳で聞くことによって確認します。

時には、上司から自分の想像外の質問も受けますので、視野を広げたり、視点を変えながら考えを深めたりしながら、答えを探して行きます。

そのようなサイクルを回していくことで、頭の中が整理され、自分自身でやりたいこと、解決策などに気づいていきますから、主体的な行動につながりやすいわけです。


環境を整えることと、認識を共有することが大事

そのような効果を生むために大事な要素は以下の通りです。

上司も部下も

  • 「話をする」「話を聴く」に集中できる環境にある

部下は

  • 話を遮られたり、別の話題に変えられたり、否定されたりしない
  • ここで話したことは、他の人に勝手に伝わることがない
  • 自分の考えたことのない質問も受ける
  • 自分のことを承認されていると感じている
  • じっくり考えることが奨励される

普段の会話が多いことは、上司と部下の親密度を増すことには効果的ですが、上記の要素を満たすのには不足しているのがおわかりいただけるでしょう。

普段は上司が話すことが多く、話題も途中で変わりがち、周囲から話しかけられて中断することもあるでしょうから。

1on1ミーティングの場は、上記の要素を満足させるために、環境をつくることと、お互いにこの場がどのような場であるかの認識を共有しておくために実施するものだと考えればよいと思います。


まとめ

認識を共有するということが実はとても大事です。

管理職は「自分は聴き役」と思っていても、部下は「上司から教えられる場だ」と考えていたら、噛み合いません。

1on1ミーティングの目的とともに、この場がどういう場であるかを、部下にも丁寧に伝えておきましょう。

職場全体で説明会や学習会をするのもいいですね

吉森 浩一
吉森 浩一
パナソニックグループでビジネスキャリアをスタートし、その後、大企業など4社で人事部長を務める。自ら企画したアフターファイブの社内勉強会にはいつも数十名が参加。趣味は、卓球・ゴルフ・読書・妻とのウォーキング。

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