企業内での1on1ミーティングの実施が増加している中、その1on1ミーティングをサポートするためのツールの導入も増えています。

ただし、「ツールだけで1on1が成功するのだろうか？」といった、企業内での1on1推進者からの質問も増えています。

そこで今回は、1on1ツールを導入する際の注意点について解説します。

1on1ツールとは？

1on1ツールとは、1on1ミーティングの品質向上を支援するためのITツールのことを指します。

部下やメンティは1on1で話したいテーマや上司・メンターへの要望を事前にツールに登録し、メンターはこれらの情報を活用して効率的に1on1を進め、メンティの満足度を高めることができます。

また、一部の1on1ツールにはレポート機能もあり、実施回数やテーマ、改善点などが分析できるものもあります。

1on1ツールの導入は増加傾向にありますが、「期待した効果が出ていない」という声も少なくありません。次に、1on1ツール導入時に留意すべきポイントを紹介します。

1on1ツール導入時の注意点

1on1ツールを導入する企業や1on1の改善を図る企業は、「ツールだけでは本当に効果的な1on1が行えるのだろうか？」という疑念を抱くことがあります。

1on1ツールは1on1の品質向上に役立つものである一方、導入に際しては以下のリスクに気を付ける必要があります。

1.「メンティの要望に応えられない」リスク

メンティからの「教えてほしい」「アドバイスしてほしい」といった要望には対応しやすいかもしれませんが、「じっくり聴いてほしい」「気づきを引き出してほしい」といった要望には対応が難しいことがあります。

メンターはこれらの要望に応えるスキルを持つ必要があり、十分な準備が必要です。

要望に応えたつもりも、メンティが満足しない場合もあるため、注意が必要です。

2.「個人差が生じる」リスク

レポートや評価の結果を活用することで1on1の品質向上が期待されますが、メンター間でのスキル差やアプローチの差が問題となることがあります。

これにより、メンティの満足度や成果に影響が出る可能性があります。

3.「続かない」リスク

短期的なトレーニングや研修だけでは1on1の品質向上が難しいことがあります。1on1ツールを導入しても、初期段階ではスキルや満足度が向上しないことがあり、逆にネガティブな印象を与えてしまう可能性があります。

1on1ツールの効果を高めるためには

それでは、先述のリスクを軽減するために、どのように対策を取るべきでしょうか？

旅行には旅行の準備を、留学をするのであれば語学トレーニングを行うように、その体験をより有益なものにするためには、それ相応の準備が必要です。

同様に、1on1も本番（メンティとの1on1）に向けて、メンターに対する適切なスキルトレーニングが必要です。

これによって、1on1の本番が始まる段階から、メンティは1on1の効果を充分に実感し、積極的に関わる意欲が高まることでしょう。

1on1ツールは、メンター向けの1on1トレーニングを行った後に導入することで、その効果を最大限に引き出すことができるでしょう。

1on1スキルトレーニング

1on1ツールを導入する企業では、1on1研修を実施するケースもあるようですが、短期的なトレーニングでは十分な効果は得られないことがあります。

1on1スキルトレーニングは、数ヶ月にわたるトレーニングを通じて、1on1のスキルや知識を習得することを重視すべきです。1on1の実践や評価・改善のプロセスなどを組み込んだトレーニングが効果的です。

まとめ

1on1ツールは、1on1スキルトレーニングと組み合わせることで効果が発揮されるものです。

1on1スキルトレーニングの具体的な方法や企業事例については、無料のアーカイブオンラインセミナー「責任者のための1on1ミーティング導入・定着セミナー」を参考にしてみてください。