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1on1で従業員エンゲージメントを向上させよう

日経平均株価は史上最高値を更新し、日本経済は大きな転換期を迎えています。「失われた30年」に終止符を打ちたいものですね。

さて、新しい年度に入り、多くの企業や組織では、定期的に実施される従業員エンゲージメント(以下、エンゲージメント)サーベイの結果を受けて、その改善のための取り組みを経営計画に組み込んでいることでしょう。

一方で、「エンゲージメントの改善は、本当に業績向上に繋がるのだろうか?」という疑念から、エンゲージメント改善の対策を講じていない企業や組織も多いようです。(でも、サーベイは継続中)

今回はこのエンゲージメントの向上について、1on1ミーティングと関連させて考えてみます。


エンゲージメントとは自発的な貢献意欲

エンゲージメントの定義にはいくつかの表現がありますが、エンゲージメントに関連する、または、類似する概念をわかりやすく整理していた書籍がありましたので、そちらをご紹介します。

  1. 従業員満足度」とは、職場環境や給与、福利厚生などへの満足度のことで、組織が与えるもの
  2. モチベーション」とは、行動を起こすための動機のことで、個人が感じるもの
  3. ロイヤルティ」とは、組織に対する帰属意識や忠誠心のことで、上下関係が生み出すもの
  4. エンゲージメント」とは、主体的・意欲的に取り組んでいる状態の自発的な貢献意欲のことで、相互の対等な関係に基づくもの

引用参考:「組織の未来はエンゲージメントで決まる」 松林博文・新居佳英著

私はとても腑に落ちましたが、あなたはいかがでしょうか?

このように、エンゲージメントを「自発的な貢献意欲」と捉えたとき、そこには「業績向上」にもきっとつながっていくという期待と希望を感じます。

私は社外メンターとして多くの中間管理職の方と1on1ミーティングを行っていますが、そこでは「部下に自発的になってほしい」という目標がセッションテーマとしてよく掲げられます。

短期的な事業成果を求められる中間管理職の方々も、部下の「自発的な貢献意欲」には大いに期待しているのですね。


有名なギャラップ社のQ12

従業員エンゲージメントを測定する代表的な調査方法に、ギャラップ社の「Q12(キュー・トゥエルブ)」があります。

各項目は5点ずつで集計されるものですが、あなたのチームやあなた自身は何点になりますか?

ギャラップ社のQ12®

  1. 職場で自分が何を期待されているのかを知っている
  2. 仕事を上手く行うために必要な材料や道具を与えられている
  3. 職場でもっとも得意なことをする機会を毎日与えられている
  4. この7日間のうちに、良い仕事をしたと認められたり、褒められたりした
  5. 上司または職場の誰かが、自分を一人の人間として気にかけてくれているようだ
  6. 職場の誰かが自分の成長を促してくれる
  7. 職場で自分の意見が尊重されるようだ
  8. 会社の使命や目的が、自分の仕事は重要だと感じさせてくれる
  9. 職場の同僚が真剣に質の高い仕事をしようとしている
  10. 職場に親友がいる
  11. この6か月のうちに、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
  12. この1年のうちに、仕事について学び、成長する機会があった

ちなみに国別に集計された結果によると、日本企業は驚くべきことに、エンゲージメントの高い「熱意あふれる社員」の割合がわずか6%であり、139カ国中132位と最下位のレベルであることがわかりました。

では、どうしたら、従業員エンゲージメントを高めることができるのでしょうか?


1on1ミーティングでの改善

近年、部下の成長促進や上司・部下間の関係の質の向上を目的として、1on1ミーティングを導入する企業や組織が増えています。

適切な1on1ミーティングは、コーチングをベースに行われています。 それを上述のQ12に基づいて見直してみると、まさに以下の内容が実践されているのです。

1on1ミーティングは、

  • 部下を一人の人間として扱い、意見や考えを尊重する、「存在承認」の場である。
  • 会社の使命や方針に沿って、部下に何を期待しているのかを伝える場である。
  • 共に設定した目標に向けて、その達成のために必要な材料や道具など、サポートの必要性を尋ねる場である。
  • 部下の得意なことを聴き、その機会を与えてその行動を奨励する。
  • 行動と成長を観察し、それを認めて賞賛したりフィードバックしたりする。
  • 部下の日々の仕事での経験を一緒に内省し、その学びを次の機会に活かすことで成長を加速させる。

まさに、Q12のほとんどの項目を満たしていることがお分かりいただけると思います。


まとめ

適切な1on1ミーティングにより、個人の「自発的な貢献意欲」を引き出すことができれば、従業員エンゲージメントは向上し、組織の成長や業績向上にも繋がるはずです。

私たちJRLAでは、この1on1ミーティングのスキルを学び、実践し、習得するための支援を続けています。

多くのリーダーが適切な1on1ミーティングを実践し、企業や組織のエンゲージメントが向上することを心から願っています。


大手企業が導入している、管理職の1on1スキルを高めるための「1on1実践トレーニング® 」の詳細は こちら からご覧ください。

松木 幹一郎
松木 幹一郎
東証1部上場の電気機器メーカーにて、役員・理事などを歴任。現在は非常勤顧問として、組織開発の支援。新入社員時代は、営業担当として飛び込み営業から開始、若い頃は売れずに苦悩の毎日を過ごす。中間管理職時代では、徹底した新規顧客開拓により担当エリア内顧客シェア90%を獲得し、年間売上を300%にまで拡大、事業基盤を構築。現在は、組織開発の内部実践者としてオフサイトミーティングなどを実践。全国にファシリテーターを108名育成し、組織開発の礎を構築した。趣味は、サッカー、ウクレレ、カラオケ。

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