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1on1で紡ぐ対話型マネジメントの力 Part4

「未来のリーダーシップ : 1on1で紡ぐ対話型マネジメントの力」Part4です。

今なぜ「対話型マネジメント」なのか、そして1on1がどのように有効か(Part1)を考えながら、どのように活用し、具体的に何をするのか(Part2)、また効果的な場面とはどういう時か(Part3)、をお話ししてきました。

今日は、対話型・コーチング型マネジメントを実践するための時間の使い方から、1on1への活用について考えていきます。


対話型(コーチング型)マネジメントを実践するための2つの時間

この回では、「対話型(コーチング型)マネジメントとは、具体的に何をすればよいのか」について理解を深めていきます。

対話型(コーチング型)マネジメントを実践するには、まず次の「2つの時間」の確保が必要です。

  1.  部下やメンバーについて考える時間
  2.  部下やメンバーと実際に関わる(会話や対話をする)時間

この2つの時間は相互作用します。

部下やメンバーについての理解が深まれば、どのタイミングで話しかけるのがよいか、またどんな内容について話せばよいか、がわかってくるようになります。

部下やメンバーについて考え、部下やメンバーと話す・・というこのサイクルを繰り返すことで、部下やメンバーに対する理解は深まり、結果としてより深くより大きなテーマについて話ができるようになっていきます。

では、2つの時間について詳しくみていきましょう。

1. 部下やメンバーについて考える時間

みなさんはリーダーとして部下やメンバーが抱える仕事や課題、コミュニケーションを求めるタイミングを把握できているでしょうか。

コミュニケーションを効果的に行うためには、相手の日々の業務内容や、進捗状況を把握している必要があります。

ただ単に業務内容を把握し、それをフォローするだけではコーチング型マネジメントとはいえないということはお気づきかと思います。

部下やメンバーの状態や環境を理解し、信頼関係を築くことでより効果的なコミュニケーションが可能になります。

そのためには、部下やメンバーについて考え、部下にやメンバーついて知っていること、つまりはデータベースを持っていることが大切です。

そしてそのデータベースは、常に最新の情報でなければなりません。

部下やメンバーの考えや現在の状況を知るためには、常に情報を更新し続ける必要があります。

上司は「過去」の情報をもとに、部下を理解しているつもりになりがちです。

部下と信頼関係を築き能力を引き出すには、部下やメンバーが「今」何を思い、どこへ向かおうとしているのか、どこでつまずいているのかを知る必要があるということです。

また、どのように部下やメンバーについて知るのか?・・ですが、部下やメンバーの行動を観察し、考察だけではなく、直接問いかけることも有効です。

たとえば、「やる気になるのはどんなとき?」「今、困っていることは何かある?」 というようにですね。

リーダーであるみなさんは、1on1の前にこのように部下やメンバーについて考える時間を持ったことがありますか?

対話型・コーチング型マネジメントにおいては、部下やメンバーを知ること、部下やメンバーについて考えることも、コミュニケーションを通して行うことがポイントになります。

2. 部下やメンバーと実際に関わる(会話や対話をする)時間

もう一つの時間「部下やメンバーと実際に関わる時間」もとても重要です。

対話型コーチングの知識・スキルを取り入れることで、目標の達成にむけた効果的なコミュニケーションが可能になります。

対話型・コーチング型フローは、会話の進行を支援するための枠組みです。

このフローには以下のステップがあります。

  1. ラポール・・・お互いの環境を整えるためのステップ、アイスブレイクの時間です。コーチングの性質を確認し合意を取ります。たとえば、相手がアドバイスやティーチングを望んでいる場合、この確認・同意が不十分だと、相手は会話に未完了を残したり、不全感をもったりしながら会話を続けることになるので、注意が必要です。
  2. 目標設定・・・ありたい姿・ゴールイメージです。長期的な目標の確認と、今日のテーマを決定します。
  3. 現状の把握・明確化・・・現状とゴールの間にあるギャップの分析をします。
  4. リソース(資源、役立つもの、助けてくれるもの)の発見・・・目標達成に役立つリソースを見つけます。
  5. プロセス設定・・・リソースを活用して行動計画を立てます。コーチングにおける成果の一つは行動変容です。行動変容とは、・スタート(新しい行動を起こす)・チェンジ(今までとやり方を変える)・ストップ(今までやっていたことをやめる)、などのいずれかが実行されることでもあります。
  6. 行動のリストアップ・・・行動計画を確認し、コミットメントを高めます。
  7. フィードバック・・・セッションでの気づきや課題を振り返ります。

このフローに沿って対話することで、効果的なコミュニケーションを行うことができます。

ただし順番通りに進める必要はなく、状況に応じて柔軟に対応することが大切です。

たとえば、一つのステップを深く掘り下げることが有効な場合もありますし、ステップを行ったりきたりすることが効果的な場合もあります。

どんなものか具体的になったかと思いますが、1on1の場での活用の一つのヒントにしていただければと思います。


まとめ

今日は対話型マネジメントを実践する、部下やメンバーとの2つの時間を取り上げました。

ひとつめの「部下やメンバーについて考える時間」においても、重要なのは部下やメンバーを知ること、その情報をコミュニケーションを通じて更新することでした。

そして2つめの部下やメンバーと実際に関わる(会話や対話をする)時間では、コーチングフローを紹介させていただきましたが、まずは、現状を把握することから始めていただくと効果的だと思います。

普段、コーチングフローのどのステップに時間を費やすことが多いでしょうか。

逆にあなたがあまり時間をかけていないステップはどこでしょうか。

どのステップを強化するとあなたの「対話型コーチング」はより強力なものとなるでしょうか。

1on1の場で実践してみてください。

次回はPart5. として、対話型(コーチング型)マネジメントが活きるときとして、使う具体的な「タイミング」と「テーマ」について考えていきます。

リーダーとして効果的な1om1を習得・実践に興味のある方は以下もご参考になさってください。

https://www.bizmentor.jp/1on1_pt_lp

これまでの「未来のリーダーシップ : 1 on 1で紡ぐ対話型マネジメントの力」

Part1. https://www.bizmentor.jp/blog/231223a

Part2. https://www.bizmentor.jp/blog/240123a

Part3. https://www.bizmentor.jp/blog/240223a

田部井 茉里
田部井 茉里
1994年パタゴニア日本支社札幌ストアマネージャーとして札幌商圏にて2店舗の立ち上げに成功、2013年GCSにてコーチングを学び、問題解決、人財育成で成果を上げ、2018年マネージャーを退いた後も、エキスパート社員として地域において環境・社会問題にも取り組むとともに、社内外でコーチング・メンタリング個人セッションはもちろん、組織改革の分野においても活動を広げ、資質を活かした人財育成によるライフスタイルの実現を通してクライアントの成長をサポートしている。外資系企業における勤務が一番長く27年になるが、学生時代からカフェ経営に携わり、その後山と渓谷社skier編集部、経理部、Club Med サホロリゾートskiGO、同リゾートモルディブにてブティック勤務、山と渓谷社広告宣伝部を経て札幌移住と、多彩な仕事経験は現在の自身の財産であり、多様な方々にコーチング・メンタリング提供中。

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