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20世紀型組織の終焉

Team of teams という考え方がある。今の時代、組織をまとめたり、チームを率いていくときに有効だと考えている。

20年前、アメリカはテロ集団アルカイダとの戦いに入った。その当時、アメリカ軍は世界最強の部隊と最新鋭の設備を投入し戦ったが、民兵集団であるアルカイダを制圧するのに、相当な時間と犠牲を要した

 なぜ、世界最強部隊が簡単に制圧できなかったのだろうか。ここに組織を考えるヒントがある。


命令型組織の限界

この事実を冷静に分析してみると、組織の構造、個の役割、リーダーシップ像の違いからくる、今後の組織のあり方が見えてくる。Team of Teams(日経BP)の中で、その詳細は紹介されている。

ビジネス本というよりは読み物に近い内容であるが、今後の組織やリーダーシップを考える上では参考になると思う。

詳しい内容は本を読んでいただきたいが、一言で言えば、 20世紀型のピラミッド組織、命令型組織の終焉を示していた。

無秩序なネットワーク組織であるアルカイダは、各メンバーが有機的に繋がり、自律的に動くことにより、組織的で命令で動く特殊部隊よりも、はるかに早く判断し行動することで、常に戦いを優位に進めることができた。


戦い方から見えてきた組織像

その優位な戦いをビジネスに置き換えてみると、日々刻々と状況が変わる中で、自らが判断し行動できるチームであること。

情報の収集・発信、トップや組織の考え方が共有、変わりゆく状況がタイムリーに把握され判断が即座になされる組織・チームではないか。

令和の時代、デジタル化やグローバル化、高齢化、その上にコロナ禍で複雑で難解な世の中となってきており、新しい組織のあり方が求められていると思う。


ビジネスへの取り組み

昨年、Team of Teams の考え方をプロジェクトに取り入れた。

導入前には、「情報が上がってこない」、「時間がかかる」、「判断材料が乏しい」、「部門間での齟齬ある」、「優先順位が不明」、「隣で何をやっているか分からない」、などなど、様々な問題が発生した。この状況を脱するために、コミュニケーションの共有を強化した。

強化のポイントは2つ、「考え方の共有」と「情報の共有」である。

プロジェクトの目的の明確化、アプローチの方法、優先順位、やることとやらないこと、仕事に取り組む姿勢、判断に困った時や不安に思った時に立ち返るガイドラインの制定など。

またプロジェクトの設計図と称して、決めたことを誰でもわかるように共有できるようにした。

当然、Team of teams の考え方も、みんなで勉強をした。


まとめ

導入し軌道に乗るまでに時間を有したが、これによりチームの意識も大きく変わり、私への質問も減った。

ここでは大きなプロジェクトを事例として挙げているが、大きさではなく、どのような組織やプロジェクトにも当てはまると考えている。

皆さんも興味があれば、一度試してみては如何だろうか。


( 鈴木 淳也 メンターの詳細プロフィールはこちら )

鈴木 淳也
鈴木 淳也
日系電機メーカーでハードディスクの電子回路設計エンジニアとしてスタート。その後米系大手コンピューターメーカーCompaq(現HP)で、国際調達、品質管理部門を経て、世の中の常識にチャレンジ、他社が海外に生産を移す中、日本でのPC製造を立ち上げる。その後守備範囲を製造からサプライチェーンに広げ、計画、調達、製造、受注、物流と製品供給のすべてに関わる。HP、Appleを経て、2010年に外資系医療機器メーカ(Becton Dickinson)に転職し現在に至る。  2019年9月、銀座コーチングスクールにてコーチ認定を、2020年12月キャリアコンサルタントの資格を得る。2020年8月、ホライズンを立ち上げ、兼業コーチとして、実務と現場に寄り添ったコーチとして稼働中。趣味:アマチュア無線、神社巡り

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