プロジェクトとコミュニケーション
プロジェクトの対応をしていると、なかなか痺れる場面に出くわすことがあります。
そんなに出くわしたくは無いのですが... 想定していない障害の発生、コントロールできないリスクの顕在化、甘い見積りによるスケジュール遅延。
どれも最初は小さな綻びで、その時に対処できればと後になって思うことが多いこれらの問題。
プロジェクトマネージャーにとっては、頭を抱えたくなる光景だと思います。
私自身、多くのプロジェクトを経験する中で上手くいかなかった点を振り返りたいと思います。
当時は主に技術面での反省ばかりだったので、時間がたった今は、少し違う視点で振り返りたいと思います。
プロジェクトにおけるコミュニケーション
プロジェクトの立ち上げ時から計画、実行して終結するまで、様々なステークホルダー(利害関係者)が関わってきます。
利害関係者なので、お互いの思惑が絡み合って意思決定や合意形成も簡単ではありません。(順調な時は良いのですが、難しい局面ほどややこしくなるものです…。)
プロジェクトにおける、コミュニケーション計画・コミュニケーションマネージメントでは、そのようなステークホルダー同士で、情報が伝わっている状態を保ち、計画に従い、情報の流れをマネジメントします。
円滑なコミュニケーションは。プロジェクトを推進する中で最低限の必要なことと言えます。
必要最低限なコミュニケーションですが、思いのほか上手く機能しないことがあります。情報の流れが滞るのです。
納期が間に合わない、スケジュールが遅延しそうだ、障害が発生している。
そのような情報が流れなくなると、プロジェクトは良くない方向へ進みだします。
どうしてこのようなことが起こるのか?
上手くいかないプロジェクトの原因としては、思い込みや勝手な判断であることが多いでしょう。
しかし、その前段階として信頼関係が崩れいていたと考えています。
信頼関係が崩れいているために、伝えたい事も伝えられない、言いたい事が言えない関係ができあがり、情報が伝わらなくなっていました。
それはプロジェクトマネージャーに伝わらないだけではなく、ステークホルダーも、現場で対応している人たちの間でも、同じように伝わらなくなっていきます。
プロジェクトチーム全体が病に侵されるように信頼関係崩壊が侵攻していたと、今なら冷静に思えます。
やはり原因の多くは、人間関係によるものだと改めて感じています。
プロジェクトマネージャーの役割
プロジェクトマネージャーは多くの時間をコミュニケーションに割きますが、自分が介在しないコミュニケーションも成功させる責任があります。
「自分が介在しないコミュニケーションまで成功させる」とは、計画を立てているとは言え、信頼関係が無いと成り立ちません。
また、プロジェクトとして情報をマネジメントすると言いながら、なぜ、情報計画や情報マネジメントと言わず、コミュニケーション計画・コミュニケーションマネジメントなのか。
単なる情報のやり取りではなく、信頼関係と互いの意思疎通を滞りなく進める事だと、今の私は考えています。
まとめ
当時は気づきもしなかった事ですが、コミュニケーションをマネジメントすることを求めらるプロジェクトマネージャーにも安心安全で、自分に向き合い、気持ちの整理ができる場所があったら、どんなに良かっただろうかと思います。
誰かに聴いてもらうだけで大きな効果が得られることを知ってしまったからこそ、お伝えしたかった振り返りでした。