キャリアビジョン実現のために「オープン」であることの重要性
現在のIT業界はGAFAが主流です。その根底にあるものはソフトウェアのオープンソース化です。
「オープン」がもたらすパワーが現在のIT技術の変革をもたらしています。
VUCAの時代、組織もリーダーも「オープン」であることがとても大切です。
「オープン」がもたらす変革
従来はIT企業が単独でソフトウェア開発を行い、知的所有権を囲い込む時代でしたが、現在は組織を離れた立場で開発者が集まるコミュニティがソフトウェア開発をリードし、その成果を共有・活用できるオープンソースという枠組みとなってきています。
オープンソースのモデルはソフトウェアに限らず多方面に拡大しています。 オープンソースをコアにIT業界に革新をもたらしている会社にレッドハットという会社があります。
知的所有権をもたないにもかかわらず一昨年IBMが340億ドル(約4兆円)という高額で買収して話題をよんだ会社です。
今のクラウド時代のOSはLinuxが主流ですが、オープンソースであるLinuxを商用化し世の中に拡げた会社です。
私はレッドハットで常務として日本におけるオープンソース普及活動に携わり「オープン」がもたらす変革パワーと重要性を体感してきました。
「オープン」な組織の強さ
レッドハットの当時のCEO(現IBMのPresident)のJim Whitehurstの著書「オープンオーガニゼ―ション」では「オープン」な組織を「組織の内外で協力関係を結び、組織の外部にあるリソースと能力を活用できる組織」と定義しています。
またオープン組織の原則を以下の様に定めています。
- 影響力は肩書ではなく産み出した価値に基づく
- リーダーは部下によって選ばれる
- 誰のアイデアでも平等に競わせる
- 縦より横のコミュニケーションが重要である
- 自発的な関与を重んじる
- フィードバックを歓迎し改善する
「オープン」なリーダーの強さ
レッドハット勤務時代、Global Leader合宿研修でアメリカのラーレイで延べ1ケ月間「オープンを強みとしたリーダーシップ」について当時のCEOのJimを含む本社経営陣と徹底的に議論する機会がありました。
「オープン」なリーダーは、
- ビジョンを共有することに最もエネルギーを注ぐ
- 情報は公開し透明に共有する
- ポジションではなく影響力で組織を牽引する
ことが重要であることを確認しました。
「オープン」なリーダーシップの実践
私が最初に社長になった会社はトップシェアであるものの成長に行き詰っている状況でした。
最初に行ったことは社員全員参加でビジョンと戦略を再構築し、その実現の進捗をオープンに共有にするため役員会の議事録を全社員に公開しました。
人事情報以外は私の持つ情報すべて全社員に公開しました。パートナー企業にもビジョンを共有することでパートナーシップを強固にしていきました。
全社員の想いを共有し、方向を定め、進捗を可視化・共有することで成長への推進力は目に見えて変わり、その結果、組織・業績を蘇生することができました。
まとめ
従来型のリーダーは情報を共有せず権威でリードしていくスタイルでしたが、現代は情報を公開しビジョンでリードする時代です。
「オープン」であることがリーダーとして自分自身の強みになっているかを考えてみても良いかも知れません。