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部下の「自走力」を高め、成長を促すには

令和の時代に入って約2年。新時代の幕開けとともに、訪れたコロナショック…。リモートワークにテレワーク、突如迫られる「働き方改革」。

会社からは、「社員のメンタルのケアをするように」と言われるが、「管理職の私のケアは、誰がしてくれるの!?」

売上・利益は減少し、会社は叫ぶ「経費削減!」「残業禁止!(但し、管理職は別)」。それでいて「部下とのコミュニケーションを増やしなさい」という。「いったいそんな時間、どこにあるのよ!」管理職の悲痛な叫びが聞こえてくる。

とはいえ、部下を育てなければ、管理職としての自分の時間をつくることができない…。「量」が増やせないのなら、「質」を高めるしかない!

では、どうしたら部下は「自走」できるようになるのか…?


目次[非表示]

  1. 1.子どもの自転車の練習から得られること
  2. 2.部下が「自走」し、自ら成長できるようになるには
  3. 3.成功するチームづくりに欠かせない「心理的安全性」とは
  4. 4.ゴールは、部下本人が「経験学習」のサイクルを回せるようになること
  5. 5.行動動機の3原則と、モチベーションの高め方
  6. 6.部下の「自走力」を高める5分間会話術とは
  7. 7.「尋問」「圧迫面接」にしないための留意点


子どもの自転車の練習から得られること

子どもが補助輪を外し、一人で自転車に乗れるようになるには、大人はどのようなサポートを行っただろうか?

①環境を整える

まずは、自転車を用意し、時間をとり、練習場所を確保。

②助言・補助する

そして、「遠くを見てごらん」と助言して、片側ずつ補助輪を外し、自転車を支えながら並走・補助。

③鼓舞する

最後は、並走・補助しながら、「できる!」「できた!」「やった!」「すごい!」などと、声を掛け、子どもの気持ちを高める。


これら3つに加え、付け加えておきたいことは、支援する大人は「乗れるようになる」ことに疑念がない、ということではないだろうか。

これらのことは、部下の「自走力」を高める上でも、大いにヒントになる。


部下が「自走」し、自ら成長できるようになるには

では、部下が「自走」し、自ら成長できるようになるには、どうしたら良いだろうか。


①安心して働ける環境を整える

成功するチームづくりに欠かせない「心理的安全性」

②学びのシステム+補助

ゴールは、部下本人が「経験学習」のサイクルを回せるようになること

③本人の気持ちを高める

行動動機の3原則と、内発的なモチベーションの高め方


上記3つについて、深堀りしてみよう。


成功するチームづくりに欠かせない「心理的安全性」とは

「心理的安全性」とは、2015年にGoogleが「心理的安全性は、成功するチームの構築に最も重要なもの」と発表して注目を集める。

チームメンバーに非難される不安を感じることなく、安心して自分の意見を伝えることができる状態。

また、上司や同僚の反応に怖がったり、恥ずかしいと感じたりせず、自然の自分をオープンにできる状態のことを言う。

ではどうしたら、「心理的安全性」を高かめることができるのか。

最も大切なことは、相手の存在を尊重し、意見や考え方を「認める」ことがお互いにできるようになること。この場合の「認める」とは、評価することは含まず、「ありのまま」を受け止めることを言う。

まずは、このような環境づくりが基盤となる。

ゴールは、部下本人が「経験学習」のサイクルを回せるようになること

ロバート・アイチンガーによると、他人からの助言や、研修・読書からの学習に比べ、直接的な経験による学習効果は、はるかに高いそうだ(7:2:1の法則)

また、デービット・コルブは、学習とは「経験を変換することで知識をつくり出すプロセス」と考え、「具体的経験」→「内省的省察」→「抽象的概念化」→「積極的実験」の4つのステップからなる「経験学習モデル」を構築した。

最終的に部下がこのモデルを自分自身で回すことができるようになることがゴールだが、初期は上司がそのサイクルを回す補助を行い、部下の習慣化を促すことが必要となる。


行動動機の3原則と、モチベーションの高め方

人はどのような時に行動を起こすのか。とてもシンプルに考えると、次の3つではないだろうか。


①ワクワクすることに取り組もうとするとき

②危険を察知したとき

③使命感・責任感、貢献したいと感じたとき



これは、子どもも大人も一緒である。


ダニエル・ピンクは書籍「モチベーション3.0」の中で、人には、学びたい、創造したい、貢献したい、という動機があるという。

そもそも、「モチベーション1.0」は生理的動機付けであり「生きるため」のもの。「モチベーション2.0」は外発的動機付けであり、いわゆる「アメとムチ」である。

しかし、「モチベーション2.0」には「バグ」があったと彼は言う。

ニュートンの「慣性の法則」は、「物体に外部から力が働かない限り、静止している物体はいつまでも静止し、運動している物体は等速直線運動を続ける」ことを示している。

彼の言う「バグ」とは、まさにこれだ。

そこで彼は「モチベーション3.0」を提唱し、人が「やりたい」と思うような内発的な動機付けの重要性を説いた。

モチベーション3.0の特徴は、「自律性」:取組み方は自分で決定したいという欲求、「熟達(成長)」:自分の能力をどんどんと上達させたいという衝動、「目的」:自分よりも大きな何かの一部になりたいという、人間が抱く切望、と書籍の中で述べられている。


部下の「自走力」を高める5分間会話術とは

上記のような知識をもっていることは無駄ではないが、大切なのは、それをどのように活用するのかだ。

私なりに、上記の概念などを生かしコーチングをベースとした、部下の「自走力」を高める5分間会話術を作成した。

この会話術のポイントは、「経験学習モデルを基盤としたダイアログ」であること、部下自身が取組み方を決められること、部下が自分自身の学び・成長を実感できること、の3つである。

ダイアログは、仕事の「着手時」、「中間時」、「終了時」の3種類を用意し、上司が部下との対話に活かせるようにしている。

ダイアログの内容は、先日実施したオンラインセミナーの中で紹介している。無料で視聴できるので、ぜひご参考いただきたい。

▼オンラインセミナーアーカイブ動画

部下の『自走力』を高め、成長を促す5分間会話術


「尋問」「圧迫面接」にしないための留意点

質問中心の部下との対話を行う際、その対話が、「尋問」や「圧迫面接」にならないように注意が必要だ。

最後に、その留意点を紹介したい。


①心理的安全性が保たれた環境・関係づくり

②部下本人の主体性を損なわないように

③助言する際はポイントを絞って

部下とのコミュニケーション量を増やすことのできない中、対話の質が上がり、部下も上司もイキイキと仕事に取り組める一助になることを祈る。


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林 英利
林 英利
大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロフェッショナル・コーチ、研修講師として独立。その後、銀座コーチングスクール代表を務め、2019年に(一社) 日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA)を設立し代表理事に就任。2020年秋より「Biz Mentor」事業をスタート。元 国際コーチング連盟(ICF)日本支部 顧問・ICF 認定プロフェッショナルコーチ(PCC)趣味は、楽器演奏(ギター・ドラム)、4歳の孫と遊ぶこと。 ◎著書:一瞬で自分を変えるセルフコーチング(三笠書房)

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