自社の社員に対する「売り」は何か?
採用の時に受けた印象と、入社してからのギャップを感じている社員が多いことが、離職率の歯止めが効かない要因だと感じる場面がいくつかあります。
私がコーチとして支援させていただいている会社では、役員さんとのセッションで得る情報と、若手・中堅営業担当者へのセッションから得られる情報には大きなギャップを実際に感じます。
また、私自身が前職を退職後、5ヶ月間パートタイムで働かせていただいた会社では、事務所にいる3名の社員さんから得た情報でも、同様なことを感じました。
社員70名の会社で発生しているギャップ
コーチとして支援させていただいている、社員70名ほどの企業さんでは、役員4名への個別コーチングと、グループコーチング、営業担当者5名への個別メンタリングとグループコーチングを提供しています。
役員の意識している会社の強みを、大きくPRして採用につなげているも、そこに希望を持って入社した社員は1年ほどで退職しているのが実態。
一方で、営業担当者に、上記強みの部分にどう感じているかをヒアリングすると、5名のうち3名が、「実態は全く違う」との答え。
社員12名の会社で発生しているギャップ
5ヶ月間パートとしてお世話になった企業では、社長自身は将来へのビジョンを持っており、コンサルの主宰する経営塾に参加し、「かっこいい」ミッションやビジョンを掲げ、それを採用活動にも活かしている。
一方で、事務所にいる3名のうち2名は「求人情報に載っている仕事と、今やっている仕事の内容が違う」「採用の時に聞いたミッション、ビジョンは、職場では聞いたことがない」という声が聞こえている。
社員の生の声から見えること
社員が生の声を私には話してくれるが、会社の内部では話さないのは何故でしょうか?
そこには「言ってもしょうがない」という感情があるように感じています。 何故そうなるか?
経営者や、現場の管理者が社員の話を「ニュートラルに聴く」姿勢ができていないことが大きな要因です。
世の中で発生している課題
実際にコーチとしてサポートさせていただいている企業では、役員のグループセッションで会社全体の課題に対して、お互いの意識や考えの違いを共有していくコミュニケーションの場を設け、個別セッションで自分と部下のコミュニケーションに向き合う時間をとっています。
若者が仕事にやりがいを感じていないという事象は「働きがいも経済成長も」というSDGsで掲げられている課題につながっています。
そこに正面から向き合い、そこにリソースを投資する意識を持つことが、今の、そしてこれからの経営者や職場の管理者に求められることです。
そう言った観点から、胸を張って「社員に対する会社の売り」を考えてみるのはいかがでしょうか?
まとめ
職場で起きている問題の一つに、社員の受けている感覚と、経営者や管理者が想っている感覚におおきなギャップが起きていることが挙げられる。
実際に私が接してきた企業でもやはり起きている問題である。これをそれぞれの企業で認識し、解決していくことが、社会で解決すべき課題につながっていく。
そう言った観点から、胸を張って「社員に対する会社の売り」を考えてみるのはいかがでしょうか?