生涯学習とは何か?
最近は、国立大学のビジネススクールで登壇したり、自分で大学院を受験したりと、「学習する機会」について考えることが多くあります。
そして、それは子どもの頃から今に至り、この先の未来・生涯にわたっていると実感しているので、今回は、リーダーや管理職にとって、生涯学習についてどのように考えると良いのかを、書いてみたいと思います。
生涯学習のイメージ
あなたは、「生涯学習」と言うとどのようなイメージをお持ちでしょうか?
私は、リタイヤしたお年寄りが余った時間で学ぶようなものをイメージしていました。忙しい社会人には縁のないものだと。
しかし、文科省によると、「生涯学習」とは、一般的には「人々が生涯に行うあらゆる学習」、すなわち、学校教育、家庭教育、社会教育、文化活動、スポーツ活動、レクリエーション活動、ボランティア活動、企業内教育、趣味など、様々な場や機会において行う学習の意味で用いられます。
リーダーや管理職の方々にとっては、「学ぶ」と言う事に抵抗ないと思いますが、多くの社会人は仕事が忙しく、学ぶ時間など無いと考えている人が多いのではないかと思います。
人生100年時代と言われる現在だからこそ、生涯学習について考える必要があるのではないしょうか。
特に部下や後輩を持つ方々は自分だけでなく、周囲に対してもその影響を発揮することが求められると思います。
学習する意味
学習によって人間の認識が変容し、さらには行動が変容していくことが期待されています。
ジャック・メジロー(J. Mezirow)の唱える変容的学習(transformative learning)という考え方で、人間は経験によって学ぶことで、自らの認識を変容させていくことができるという理論に基づく考えです。
様々な知識を得て、認識が変わり、さらに経験して自らの行動に影響するという点は、とても分かりやすく理解できます。
これは、業務に直結した企業内教育であれば、さらに効果を実感する方も多いのではないでしょうか。
私自身の例としては、私はITエンジニアでもあるので、新しい技術を学びそれを使えるようになり、実際に設計したり導入したりすることはとても楽しく、また出来る事の幅が広がる事で、行動が変わると実感しています。
学ぶことに意味を見出せない
一方で、学ぶ事に意味を見出せない方々もいます。
仕事が忙しく、学習する暇なんか無い、業務に直接かかわる内容でも、時間が無駄に感じられる等の声を、管理職をやっていたときによく聞くことがありました。
何がそのように言わせているのでしょうか?
確かに、退屈でつまらない研修などもあるのは事実だと思います。
しかし、学ぶ姿勢としての問題でもあると言えます。学習によって期待されているのは、ただ知識を付ける事ではなく、行動が変容することでした。
学ぶ事に意味を見いだせていないのは、自分の行動を変容させたくないと考えているのではないでしょうか?
行動が変わると言う事は自分が変わっていくことです。それを恐れているのだと思います。
まとめ
人は、行動し変わり続けることで成長すると考えています。
その成長は、人生100年時代をより良いものとして過ごすために必要なことだと思います。
では、変わることを拒み、恐れる人にはどう接すればいいのか?
リーダーや管理職の皆さんは、そのような部下や後輩、同僚がいる場合はどうするでしょう。
一つの考え方として、皆さんがロールモデルとして変わる事を恐れずに示し、変化を良いものとして伝えることで、周りの人たちの認識も変わっていくのだと思います。
そのためにもリーダー自身が安全な場所として機能することが求められていると考えています。