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1on1の準備をしよう

皆さんは、1on1を実施する際にどの様な準備をしていますか?

前回のブログ(https://www.bizmentor.jp/blog/220921a)では、1on1の目的を明確にすることの重要性をお伝えしました。

その目的に合わせて1on1を上手く機能させるためには、しっかりと準備をした上で実施することが非常に重要です。

今回は、「部下の育成を目指した1on1」を実施する際に、ぜひ準備して頂きたいポイントをお伝えします。


1on1の目的(名前)を部下に伝える

まずは、1on1を実施する目的を部下に伝えます。

「1on1を実施します」と伝えるだけでは部下に対して1on1の目的は伝わりません。

1on1の実施目的をきちんと説明することが大切です。

「あなたの成長のため」、「相互理解を深めるため」などと説明することで、部下も1on1実施の目的を理解することができます。

この時、1on1に名前をつけて共通語としてお互いにこの名前で呼び合うことをお勧めします。

私の場合は「育成1on1」と名付けましたが、例えば「成長1on1」、「あなたの1on1」、「伴走1on1」など自由に自分たちのイメージで決めれば良いと思います。

これは、お互いの気持ちを切り替えるために大きな意味があります。

特に、既に別の目的(業務進捗や予算管理など上司側の確認)で1対1の面談を実施している場合には非常に有効です。


「育成1on1」の目的を確認する

「育成1on1」の目的としては、主に下記の3つが挙げられます。


1.信頼関係の向上

部下の育成を目指した1on1を行うことで、部下が抱えている現状を正確に把握できます。

部下のためのコミュニケーションが増えることで、上司と部下との信頼関係が向上します


2.部下の成長促進

部下自身が感じている課題や問題意識、取り組みたいことを自由に語ってもらいます。

上司は部下の発言を傾聴し、その解決方法のヒントや気づきを与え、一緒に考えることで、部下が自ら課題を解決していくことを支援します。

部下は自らが課題を解決することによって達成感が得られ、仕事へのモチベーションも高まります


3.部下の成長による組織力強化

職場環境やキャリアの振り返りの場を設けることで、部下は日々の業務から多くの気づきや改善を意識することができます。

それらの気づきを組織内で共有することで、組織全体の生産性向上も期待できます。

部下が成長することで、組織のパフォーマンスが向上するのです。

職場の雰囲気も良くなるため、社員が企業に定着しやすくなり、離職率を低減することも可能です。

組織の持続的成長の実現と、それを担う人材の育成が「育成1on1」の実施目的です。


「育成1on1」で話すテーマについて

「育成1on1」は部下のための時間であり、話すテーマは部下が決めるものです。

部下にテーマを考えてもらい、それを事前に共有して話し合いの方向性を定めておくことがおすすめです。

特に最初のうちなど、部下からテーマが出にくい時などは上司から育成1on1に適したアジェンダの例をいくつか紹介します。


アジェンダの設定例

  1. 業務上の気づきや困っていること

  2. 組織について思っていること(もっと良くなるアイデアなど)

  3. マネジャーへのリクエスト

  4. 自身の専門性を高める方法

  5. 今後のキャリアについて

  6. 体調やメンタル面の状態

  7. プライベートのトピックで共有したいこと


ツールを活用する

部下のテーマを事前に共有して話し合いの方向性を定めておくことをおすすめしましたが、そのためにはツールを活用することが非常に有効です。

具体的にはシートを作成して、それを活用して1on1を実施していきます。

シートに盛り込む内容(記載欄)としては

  1. テーマ設定のヒント

  2. 今回取り上げたいテーマ(3〜4)

  3. してもらいたいこと(傾聴、賞賛、励まし、質問、情報提供、アドバイス、指導など)

  4. テーマごとのメモ(振り返り/アクションプラン/次のステップ)

などで、これに日付、次回予定などを記載します。

「してもらいたいこと欄」はお勧めです。

面と向かってはリクエストしづらい事も記載してあればチェックしやすいですし、上司もリクエストであれば遠慮なく出来ます。

また、これを部下ごとにまとめておけばデータベースとしても非常に有効です。


まとめ

今回は、「部下の育成を目指した1on1」を実施する際に準備するべきポイントをお伝えいたしました。皆さんはどの様に感じましたか?

目的の成果を達成するためには、やはり準備が重要です。

さあ、しっかりと準備をして、上司と部下が同じ方向を向いたあなたの1on1を実施してください。

きっとあなたの目的に着実に近づいていきます。

田中 剛
田中 剛
1987年、大手メーカー系商社に入社。システムエンジニア、プロジェクトマネージャーとして主に金融業界を担当。数々のプロジェクトを手がけ4度の社長賞受賞。一方で、失敗プロジェクトではチームの崩壊、パートナー企業の離反などに直面、挫折を味わい、コミュニケーションの重要性を痛感。その後、大手顧客向けI Tシステムやサービスの企画・提案を担当。 2004年、世界初の実装技術で特許を取得し、販売実績5万本を超えるヒット商品を開発。また、クラウドサービスなどの企画・開発や、新規事業の立ち上げ、マーケティング施策の企画・実行など、新たな取り組みを数多く手がけた。マネジメントでは中期経営計画策定と組織運営、赤字事業の立て直し、コロナ禍での売上拡大に奔走。 現在は、価値観や強み、ありたい姿を起点とした、新規事業開発、I T人材の育成、リーダーシップ開発、組織開発の研究と実践に取り組んでいる。

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