MENTOR'S BLOG
ブログ詳細

catch-img

1on1研修でおさえるべき5つのポイント

ある調査(*1)によると、7割の企業が人事施策として導入していると言われる「1on1ミーティング」。

1on1本来の効果を得ている企業がある一方で、効果や変化を得られていないと回答した企業は、導入している企業の約15%にのぼるそうです。

せっかく導入しているのに、変化や効果が見られないとは、とても残念なことですね。

今回のブログでは、効果の出る1on1を定着させるために必要な、研修やトレーニングでおさえるべき5つのポイントをご紹介したいと思います。


1on1推進者が抱える悩み

まずは、1on1本来の効果を得られていない企業の推進担当者の悩み(*2)をご紹介します。

数年前に一部の組織で導入しましたが、継続できずネガティブなイメージが組織内に残っています。必要性を感じている管理職もいるのですが、ネガティブ派の意見が強く、全社導入に向けてのスタートができていない状況です。(Aさん)

メンター(上司)のスキル不足により、効果的な1on1が実施できていません。「時間が取れない」との声も上がっています。そもそも、1on1の実施目的が不明確で、社員にはやらされ感があるようです。(Bさん)

導入済・実施率100%ではあるものの、中身が伴っていません。具体的には、上司が聞きたいことを聞く時間となってしまっています。(Cさん)

上司と部下の双方が、1on1の価値や目的、活用方法を正しく理解していません。(Dさん)

このように1on1の効果が得られていないのは、次の5つの理由があるからです。

<1on1の効果が得られていない5つの理由>

  • 理由1:上司の正しい知識が不足している
  • 理由2:上司が価値を感じていない
  • 理由3:練習が足りない(していない)
  • 理由4:上達のための仕組みがない
  • 理由5:部下も活用方法を知らない

上記の詳細については、「1on1の効果が得られていない5つの理由」で解説していますので、ご参考ください。


1on1研修でおさえるべき5つのポイント

では、1on1本来の効果が得られるようになるためには、どのようにしたら良いのでしょうか?

それは、正しい知識を得て、スキルを習得するための訓練(研修・トレーニング)を行うことです。

以下に、「1on1研修でおさえるべき5つのポイント」をご紹介します。

<1on1研修でおさえるべき5つのポイント>

  1. 手本や本物に触れさせる
  2. 必要な知識を「正しく」インプットする
  3. 練習と評価の仕組みをつくる
  4. スキル上達目標とステップを設ける
  5. ”落ちこぼれ”を生じさせない

    1)手本や本物に触れさせる

    山本五十六の有名な言葉に、「やってみせ、言って聞かせて~」とあるように、「やってみせ」とは、手本を示すことであると言えるでしょう。

    1on1においても、参考となる1on1ミーティングを見せることで、「本当の1on1」を認識できるようになります。

    弊社の研修で、手本となる1on1セッション動画を見た方たちからは、「1on1の概念が変わった」「今までの1on1とは全く違う」などの声が多く聞かれます。

    また、動画を視聴するだけではなく、上司自身が部下の立場で、正しい1on1を受けてみて、その効果を実感することも大切です。

    2)必要な知識を「正しく」インプットする

    「必要な知識」が何かといえば、大きく分類して3つの知識があります。

    1つは、1on1に役立つリーダーシップ理論や動機づけ理論のことで、この知識があるかないかで、1on1の進め方や効果に大きな違いが出るでしょう。相手がどのような状態なのか、何があれば前に進めるようになるのか。このような理論は、1on1に大いに役立ちます。

    次に、1on1で使用する基本スキルの知識です。これには、承認や傾聴、質問などのスキルのほか、勇気づけやティーチング、フィードバックのスキルなどが含まれます。

    さらに必要なスキルは、1on1で使用する対話モデルです。部下が話したいテーマに対して、どのように会話を始め、どのように進行し、どのように終わらせるのか。1on1の代表的な対話モデルには3つの種類があります。

    上述の「手本」と合わせて、1on1の正しい知識とその効果を理解します。

    3)練習と評価の仕組みをつくる

    知識を得たのちは、それを「できるようにする」ための練習が必要です。車の運転でも、運転の方法を知るだけでは、上手く運転することはできません。

    効果的な練習方法は、練習を行なった後に「振り返り」を行うことです。振り返りは、メンター役としてのセルフチェックと、メンティ役を務めた相手からのフィードバックです。

    さらには、指導者からのフィードバックを受けることで、できていることと課題が明確になり、次の練習に役立てることができます。

    4)スキル上達目標とステップを設ける

    英検でも、柔道でも、技術やスキルを習得するものには、「級」や「段」が設けられていることが多いでしょう。

    1on1においても、3段階程度にステップを設け、例えば、初級では「相手を主体とした傾聴ベースの1on1が実施できる」、中級では「相手の経験学習を促す1on1が実施できる」、上級では「相手の問題解決や目標までの道筋の明確化を支援する1on1が実施できる」などです。

    ステップを設けることで、自身のスキル習得度合いが分かりやすくなり、取り組みやすくなったり、挫折を回避できるようになるでしょう。

    5)”落ちこぼれ”を生じさせない

    研修やトレーニングの途中では、「自分には向いていない」「上手くできない」など、壁に当たる人も出てくるでしょう。

    そうならないようにするために、30分でも良いので、定期的に研修対象者を集めたミーティングを行い、進捗の確認や他の人の取り組み状況などを共有し、壁を乗り越えるための参考にできるようにします。

    さらには、質疑応答の時間を取ったり、場合によっては、個別にフォローすることも必要でしょう。


    まとめ

    今回は、1on1を導入しているが、本来の効果を得られていない場合の原因とその対策のヒントをご紹介しました。

    それぞれご事情も異なることと思います。弊社では無料の個別相談も行なっていますので、お気軽に お問い合わせ ください。

    また、1on1を導入しているが、本来の効果を得られていない企業向けの、

    【無料動画セミナー】「責任者のための1on1ミーティング導入・定着セミナー  ~ 部下が楽しみにする1on1を組織に定着させるには ~

    を無料で配信していますので、ぜひご参考ください。


    • *1 1on1ミーティング導入の実態調査 / リクルートマネジメントソリューションズ
    • *2 弊社主催セミナー参加者のアンケートより
    林 英利
    林 英利
    大和ハウス工業(株)、トヨタ自動車(株)などを経て、プロフェッショナル・コーチ、研修講師として独立。その後、銀座コーチングスクール代表を務め、2019年に(一社) 日本リレーショナルリーダーシップ協会(JRLA)を設立し代表理事に就任。2020年秋より「Biz Mentor」事業をスタート。元 国際コーチング連盟(ICF)日本支部 顧問・ICF 認定プロフェッショナルコーチ(PCC)趣味は、楽器演奏(ギター・ドラム)、4歳の孫と遊ぶこと。 ◎著書:一瞬で自分を変えるセルフコーチング(三笠書房)

    Contact
    お問い合わせ

    お気軽にお問い合わせください。
    03-6884-7730
    平日 9:00-18:00
    管理職の1on1スキルを確実に向上。

    人気ブログ記事ランキング(月間)