ドラッカーの5つの質問(5) われわれの計画は何か
ドラッカーの5つの質問の5つ目、われわれの計画は何か。
ここで言っている計画とは、ミッションに向けて主体的に動くための旗印のことである。
これまで「われわれの使命は何か」、「われわれの顧客は誰か」、「顧客の価値は何か」、「われわれの成果は何か」という問いに答えるかたちで、事業の本質や何を成し遂げたいのかを明らにしてきた。
第5の質問で、それを実現するための、具体的な計画案を問われている。
ドラッカーは非常にシンプルな5つの質問を投げかけた
シンプルな質問であるからこそ、答えにくい。
しかし、それを深く考えることにより、いまの組織や事業がどのような状態か把握でき、将来に向けてのミッションと行動が見えてくる。
そのためには、第1から第5までの質問を何度も繰り返し、検証することが必要である。
ドラッカーの5つの質問とは
- 第1の質問 「われわれのミッションは何か?」
- 第2の質問 「われわれの顧客は誰か?」
- 第3の質問 「顧客にとっての価値は何か?」
- 第4の質問 「われわれにとっての成果は何か?」
- 第5の質問 「われわれの計画は何か?」
適切なミッションにたどり着けているか
第1から4までの問いかけに対し、適切な答えを導き出せているか、検証しておきたい。
我々のミッションは、事業を通し、社会的責任を果たし、社会や世の中を良くして行くものであるはずだ。
たとえば人は生きるために、食事をして栄養を摂っている。栄養を摂るために、生きているのではない。
それと同じように考えてみれば、会社や事業も、利益を得るために事業をおこなっているのではない。
社会的責任を果たすために、利益を得ながら、事業を継続し、世の中に貢献している。
ここにたどり着けていれば、次の計画に進むことができる。
計画とはミッションに向けて主体的に動くための旗印である
計画には、ゴールが到達され、ミッションが実現した時のビジョンを示すことが必要だ。
このミッションとビジョンが、進むべく道を明るく照らし、正しい方向に我々を導いてくれる。
計画の中には、下記の要素が含まれている。
- ミッション(活動の目的、組織や事業の存在の理由)
- ビジョン(あるタイミングでの、ミッションが実現した時の具体的な姿)
- ゴール(ビジョン実現に向けての複数の目標)
- 目標(具体的かつ測定可能な指標)
- アクション(目標到達のための詳細な計画)
- 予算(アクションを実行するための資金計画)
- 評価(進捗管理)
まとめ
計画を立てることはとても大事だ。
しかし、その為には、ミッションやゴールなどが、適切なものでなければならない。
つまり、第1から4までの問いに、適切に答えられてこそ、適切な計画が立案出来るのである。
皆さんの仕事を一度、このドラッカーの質問に照らし合わせて、検証してみてはどうだろうか。